- 数字のマジック

2004/01/15/Thu.数字のマジック

夜分遅くすみません。T です。

就職活動で大阪に行ってきた。といっても説明会に加えて簡単な適性検査をするくらいで、どうということはない。ここで落ちることもないので気楽に受ける。説明会は、今回以外にも異なる会場を含めて数回行われる。今回の参加人数に開催回数を掛けた数字を受験人数とし、それを募集人数で割ると、大ざっぱだが競争倍率が求められる。それが約 15倍。これを高いと見るか低いと見るか。

明後日からセンター試験が始まる。国立大学の大体の競争倍率が5倍から 10倍くらいか。国立大学は前期と後期の二つしか受験できないが、就職試験は金と時間と精神力があれば、何十社でも受けられる。そう考えると 15倍でも何とかなる気はする(とはいえ、企業の平均競争倍率は知らないが)。

ところが、これが数字の面白いところで、例えば東京大学の学部を卒業し、大学院はハーバード、その間に NatureScience といった超一流のジャーナルに論文が掲載された人間がいるとする。こいつの場合、15倍が 1,500倍でも容易に試験を突破するだろう。1.5倍でも受からないときは絶対に受からない。実はそれだけの話なのだ。

他の例では、企業の経営力を示す数字として必ず売上高が明記されるが、本当に問題なのは利益率で、いくら売り上げを伸ばしていても赤字の会社に就職を希望する人間はいないだろう。

先日、今年度卒業予定の大学生の就職内定率が 73.5% で過去最低といったニュースが報道された。「ああ、7割かあ」などと思っている奴はもっと目を見開くが良い。これは統計のマジックである。不況だろうが何だろうが、偏差値の高い大学の就職率は常に高水準のままであるはずだ。平均を取れば正確な値が出るはずというのは幻想にしか過ぎないんじゃないか?

なんてことを帰りの電車の中でつらつらと考えた。やるせねえ。