- 久し振りに怪談

2003/08/25/Mon.久し振りに怪談

昨夜も深夜にラボに行くと電気が点いている。勿論、部屋の鍵も開いていた。ヒゲマン氏でもいるのかと思ったのだが誰もいない。煙草でも吸いに行っているのだろうと納得して顕微鏡を覗く。それにしても顕微鏡を覗いていると眉間の辺りがムズムズするのは俺だけだろうか。などと考えながら観察を続けていると、実験室(顕微鏡の向かいの部屋)の扉が開く音がする。

お、帰ってきたなと実験室に行ってみると誰もいない。すると今度は無菌室(顕微鏡の部屋)の扉が開く音が。アレ? 取って返して無菌室に入っても誰もいない。K先生の部屋(無菌室の隣)かと思って廊下に出ると、

出ましたよ貴方、廊下の突き当たりに白い人影が。

このとき、廊下は全て消灯されていたのではっきりとは見えなかったのだが、確かに人影っぽいものが隣の S井先生の部屋の前に。で、そのまま S井先生の部屋にすっと入っていった(ように見えた)のだった。超早起きで有名な S井先生、本人という可能性も……ないか。さすがにこの時間は早起きという概念には含まれんぞ。

ちなみに、S井研の各部屋は完全に消灯、人の気配もなかった。S井研の人が来ただけなのかも知れないのだが、以後、いくらたっても電気が点くどころか、気配もない。ちょっと怖くなってきたのだが、培地をオートクレーブにかけているので帰ることもできない。ああヤダヤダ。

無菌室に戻ってきてしばらく経つと、今度は S井研のコオロギ(S井先生はコオロギの研究をされている)が一斉に鳴き出した。おいおい、何なんだよ。俺の方が泣きてえよ。

結局、それからも数時間はいたのだが何も起こらなかった。何だったんだろうかね、アレは。っていうか、うちのラボの鍵が開いていたのは何で? 誰かの閉め忘れだったらいいんだけど。そうじゃない方が怖い。