- タイの想い出 (3)

2003/01/23/Thu.タイの想い出 (3)

昨夜、寝入りばなに馬鹿馬鹿しい落語を思いついたのでタイの想い出を書き終わったら紹介しようかと思うのだが、忘れたりするかもしれんのでここでお知らせしておこう。タイトルは「たんぱく」だ。

さて、パッポン通りに付いた我ら3人。この通り、滅茶苦茶いかがわしい。3人並べば肩が触れ合うというくらい狭い路地を挟んで露天と店舗の中間くらいの店がひたすら並んでいると思えばよい。アーケード、と書けば聞こえはよいが、白い天幕みたいなものが頭上 2 m くらいの低さに張られていて、そのおかげでますます狭苦しい印象が強くなる。

売っているものといえば、ちゃちな服やら手作りの民芸品やら、あとは日本では非合法になるようなナイフとか酒とか煙草。その他は飲み屋や食い物屋。我らを日本人と認識した呼び込みのオッサンが「可愛い女の子がいるヨ」などと拙い日本語で話しかけてくる。かなり白人も多く、デブハゲが整った顔立ちのタイ青年と腕を組んで歩いているのとすれ違ったりなんぞして、かなりの無法地帯。う〜ん、アナーキーでエキゾチック。病みつきになりそうですな。ヒゲマン氏は間違いなく気に入るだろう。

ブラブラと冷やかして通りを抜けきると、ショウ隊長が「そろそろ飲むか?」と訊いてきた。勿論否やはない。実はパッポン通りの隣は谷屋ストリートという、日本人観光客向けの通りらしい。谷屋てアンタ。とりあえず入ってみると、そこは何と旅出ったはずの故国日本。雰囲気としては歌舞伎町っぽい。看板は全部日本語で「クラブ葵」だとか、そんな感じ。呼び込みを冷やかしながら、それでも良心的そうな店を一つ選んで入る。

「クラブ恵」

ホントにタイかね、ここは。料金を聞いてみると、女の子 1人座らせて 1時間 600バーツ、水割り 1杯 50バーツ。聞いてびっくり玉手箱。何て安いんだ。その値段じゃあ、日本だったら爪先すら店内に入れませんぜ。

とりあえずボックス席に収まって、どの女の子がいいんだと選ばされたので一番日本人ぽい顔の子を指名した(どうも書いていると背徳的な感じがするが、とにかくタイ人は陽気であったので、いわゆる日本のクラブとは全然雰囲気が違うのだから何とも思わなかった。文章にすると中年オヤジの行動そのものだが)。

名前は AOO ちゃんで年齢が俺と同じだったので色々と喋った。ちなみにみんな日本語ぺらぺら。水割り(これも粗悪な酒が出るんじゃないかと思ったが、日本のウイスキーと同じ味)も値段を気にしなくともいいので、もりもりと空けていく。

ああ、ボーイスカウトじゃねえよなあ。と思いの方。これこそボーイスカウトの醍醐味なのですよ。無論こんなことばっかしてるわけじゃあないが、大体年頃の男ばかり集めて毎週みたくキャンプしてみたまえ。俺は自慢じゃないが悪い遊びは全部ボーイスカウトの先輩に教えてもらった。一種の社会勉強なのですよ。

そんなこんなで1時間ほど飲んで、3人合わせて 2,500バーツ。鼻毛が抜け落ちるほど安い。トゥクトゥクに乗って帰ったのだが、その途中、ショウ隊長が「たった 1,000バーツで持ち帰りも可能や」という。アンタ何でそんなこと知ってんねん!と N上班とともに突っ込んだが、う〜ん、1,000バーツかあ、と 2人して顔を見合わせてしまったのは愉快でした。(つづく)