- Book Review 2008/04

2008/04/21/Mon.

『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」の文庫化が始まった。第6部の主人公は空条徐倫 (くうじょう・じょりーん)。第3部の主人公・空条承太郎の娘である。舞台は 2011年のアメリカはフロリダ。

徐倫は、ボーイフレンドのロメオとのドライブ中、交通事故に遭遇して逮捕される。裁判では何者かの意向を受けた弁護士によって無実の罪に落とされ、懲役 15年の判決を受ける。怒りに震える徐倫は『州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所』に収監された。

空条徐倫 (19)
JOYLYNE CUJOH
日系アメリカ人
囚人番号 FE40536
房番号 206
罪状 殺人・死体遺棄 自動車の窃盗

刑期 15年

身長 174.5 cm
体重 58 kg

肩に星形のアザあり

蝶のタトゥー、14 の時旅行へ行った時の思い出と本人の談

(「グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所」)

裁判中、母親から差し入れられたペンダント (弁護士「なんでも 離婚した君のお父さんが娘の君が困った時に渡すようにとお母さんに言ったらしい」) によって、スタンド能力『ストーン・フリー』が発現する。

スタンド名——『ストーン・フリー』
本体——空条徐倫

破壊力——A
スピード——B
射程距離——1〜2 m
持続力——A
精密動作性——C
成長性——A

能力——糸が集まってできているかのようなスタンド。力・スピードの射程はせいぜい 2 m だが、糸だけを細ーく伸ばしてやれば糸の長さだけの射程を進める。その場合、すごく強度は弱くなる。糸電話のように、声や音を聞くことができる。

『ストーン・フリー』の力で脱獄できないかと考え始めた徐倫に、父・承太郎が面会に訪れる。なぜ徐倫が無実の罪に落とされ、刑務所に収監されることになったのか。その理由が明かされたところで、敵のスタンド攻撃が父娘を襲う。

刑務所という閉鎖空間は、これまでのシリーズになかった舞台設定ではないか。スタンド・シリーズに限れば、第3部はあらかじめ設定された目的地への旅、第4部は限定されてはいるが開放された空間内における目標の探索、第5部は暗殺者からの逃走と迎撃が主な指向性だった。第6部ではひとまず「脱出」が指針となる。

冒頭から随所に奇妙な伏線が張られており、読者は奥深い謎を想像させられる。難解との呼び声が高い第6部だが、これを機にじっくりと再読する予定。