- 『フェルマーの大定理』足立恒雄

2006/10/06/Fri.『フェルマーの大定理』足立恒雄

「整数論の源流」と副題にある。ちくま学芸文庫の青表紙の 1冊である。今気付いたのだが、このシリーズにはシンボル・マークがあるようだ。銀色の「∞」記号があり、左の円の中に "Math &"、右の円の中に "Science" と書いてある。"Math & Science"。良いシリーズだと思う。

本書では、フェルマーの大定理と、それを解くために開発された様々な数学的手法の解説が主となっている。「フェルマーの大定理"史"」といって良いかもしれない。本書の初版は、アンドリュー・ワイルズによって大定理が証明される以前に著されたので、デカルト、パスカル、クンマーに関する記述が特に多い。ワイルズの証明が発表されてからの第2版では、楕円曲線、フライ曲線、谷山予想に関する記述が増補されたという。本書の底本は、ワイルズの証明が完璧に成された後で出された第3版である。

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