- 『名画読本 日本画編』赤瀬川原平

2006/09/12/Tue.『名画読本 日本画編』赤瀬川原平

副題に「どう味わうか」とある。『赤瀬川原平の名画読本』と同じコンセプトで編まれた名画案内の日本画編。本書がきっかけとなって、後に『日本美術応援団』という面白い本もできあがるのだが、とにかくその観賞の新鮮さに目が開かれる。

日本画の先入観にはかなりのものがある。日本画は古臭い、堅苦しい、偉そうだ、とっつきにくい、といろいろだ。

私たちが日本人だからだと思う。

外人だったら日本画を見て、その様式の意外さに、きゃっ、面白い、可愛い、欲しい、といってあっさり買ったりすることもできるだろう。

(「はじめに」)

確かにそうなのだ、と再確認させられる 1冊。本書で観賞されるのは以下の 14作。

  1. 葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
  2. 葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」
  3. 歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」
  4. 歌川広重「東海道五拾三次之内 品川」
  5. 喜多川歌麿「姿見七人化粧」
  6. 鈴木春信「縁先物語」
  7. 東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」
  8. 雪舟「恵果断臂図」
  9. 長谷川等伯「古木猿猴図」
  10. 長谷川等伯「松林図屏風」
  11. 尾形光琳「紅白梅図屏風」
  12. 俵屋宗達「風神雷神図屏風」
  13. 与謝蕪村「鴉図」
  14. 円山応挙「藤花図屏風」