- 『夢の宇宙誌』澁澤龍彦

2006/04/01/Sat.『夢の宇宙誌』澁澤龍彦

「コスモグラフィア ファンタスティカ」というラテン語 (?) のタイトルが付いている。

澁澤龍彦お得意の、中世西洋を中心に様々なイメージやテーマを取り上げ、エッセイにまとめたもの。本書は大きく、

と分けられている。

出てくるアイテムは、ホムンクルス、奇形、終末思想、黙示録、悪魔、天使、神学、博物学、錬金術、ユートピア思想、アナーキズム、などなど。澁澤の琴線に触れたものどもが、博学的な知識と深い洞察によって記されている。図版も豊富で、歴史上、いかに奇妙なモノが存在していたのか、その雰囲気の一端が垣間見える。著者自身による詳解な「註」も読みごたえがある。