- 『解剖学教室へようこそ』養老孟司

2005/12/27/Tue.『解剖学教室へようこそ』養老孟司

養老孟司が、自身の専門とする解剖学について書いた初期の著作。「中高生向けに」という版元の要請があってか、文体は割合に平易であるが、あくまで相対的にいえばの話であって、やはり切り口は鋭い。

解剖とは何であるか、という話題から始まり、本邦および世界の解剖の歴史、死あるいは死体とは何か、生命の基本としての細胞、などなど、テーマは多岐に渡る。そこここで、後に発展する養老孟司の思想の芽が見られて興味深い。詳細な各論は後の著作に任せ、本書ではその原点をじっくりと読みたい。