- Game Review 2010/09

2010/09/22/Wed.

「MHP2G の完全なサイトを作るには」で、 MHP2G のデータサイトには約 6000 ページ、15 万リンクが必要であるという計算を行った。とはいえ、ページやリンクの生成はプログラムが自動的に行うので、これらの数はさして重要ではない。6 万ページ、150 万リンクでも本質的に変わるところはない(そのためにプログラムを書いているのである)。

サイトの構築はオートマティックに行うとして、元になるデータの打ち込みは人間がやらなければならない(ゲームプログラムから吸い出すとハッキングになる)。それでは、具体的にどれくらいの量のデータを入力する必要があるのだろうか。

防具を例に考えよう。設定されている主なパラメータには以下のようなものがある。

名前、部位、レア度、装備できる職種、装備できる性別、防御力(初期値から強化して最大値に至る過程を含む)、火耐性、水耐性、雷耐性、氷耐性、龍耐性、スロット、生産素材(複数の素材、それぞれ必要な数)、スキル(複数のスキル系統、それぞれ割り振られたポイント)、生産に必要な金額……

パラメータの「数」はデータ形式にも左右される(例えば「生産素材」を一つのデータとするのか、それぞれの素材に別けて勘定するのかなど)が、必須要素だけでも十数個となるだろう。完璧を期するなら、読み仮名、シリーズ名、それから趣味として——相当な労力が必要になるが——、説明文や画像を用意するといったことも考えられる。パラメータの合計は、防具だけで 3〜4 万といったところか。200 × 200 セルのエクセルシートいっぱいに文字や数字を打ち込むと考えればイメージしやすい。

同様に、概算ではあるが、大きなところで武器が 3 万、アイテムが 1 万、モンスターが 1 万、クエストが 1 万——、総計で 10 万前後になるだろう。100 × 1000 セルのエクセル(略)。誤植率を 0.1% とすると、サイト全体で 100 個の間違いを含むことになるが、一つの誤記が複数のページに掲載され得るので、目にする数はもっと大きくなる。データの校正(誤植の発見、報告)はコミュニティに頼っているという運営者は多い。

さて、数秒で一つのパラメータを打ち込んでも、データベースの完成には 100 時間以上かかる。これではゲームをプレイしているのか、まとめサイトを作っているのかわからない。そこで、「データ入力を支援するプログラム」を作成することになる。しかしハマり過ぎると、「横着をするための労力を惜しんではいけない、という口実で現実逃避してしまう」ことになってしまうのだが。

ところで、世の中にはデータ入力という仕事がある。試みに「データ入力 相場」で検索してみたところ、タイプにもよるのだろうが、数円/セルで入力を依頼できるようである。ゲームという特殊性も考慮すると、MHP2G の完全なデータシートの入力価格は、およそ 100 万円といったところか。外注して 100 万円分の単純作業を個人の趣味で行う価値があるかどうか、これは人それぞれであろう。

実際には、さらにプログラミングという換金困難な(作製者の能力によって主観的な難易度が劇的に異なる)行為が加わるので判断は難しい。いずれにせよ、それほど低い敷居ではない。

これから取り組むことになる「MHP3: まとめ」であるが、MHP3 のデータ量が MHP2G のそれを下回ることは確実である。全ての基礎になるモンスター数が、MHP3 では MHP2 の 2/3 程度になると予想される。また、MHP3 にはG級が存在しないので、ここでも単純計算でボリュームは 2/3 となる。したがってそれぞれの要素は、全て 2/3〜1/2 ほどになると思われる。サイトとしては、6 万パラメータ、4000 ページ、10 万リンクといった規模になるのではないか。完成すればだが。

2010/09/21/Tue.

十二月一日に発売される MHP3 のために「MHP3: まとめ」というページを準備している。向こう一年間は世話になるであろうゲームの情報をまとめるため、プログラミングやデータベースの勉強のため、サイト作成技術の維持のため、色々と目的はある。こういう作業が好きだという性分もある。

前作 MHP2G に関しても、同様の「MHP2G: まとめ」という一群のデータを作ったが、尻すぼみな形で放置することになってしまった。武器のページなどはヒドいものだ。作成に着手したのが随分と最近になってから、すなわち MHP2G の発売から二年以上が経過してからだったということもあり、モチベーションを保つことができなかったのが原因である。今さら欲しい情報などないのだから仕方がない。

しかし、この過程で書いたプログラムが現在の作業の基礎となっているので、丸きり無駄だったというわけでもない。MH は特にデータの量が多いゲーム(エンターブレインの MHP2G 公式ガイドブックは、実に 1000 ページ以上の分量を誇る)なので、手作業でのサイト構築には限界がある。

実際問題、どれくらいのオーダーになるのだろうか。少し考えてみた。例として、MHP2G の主な要素を挙げると以下のようになる。

各要素に固有のページを割り振ると、総計 5400 ページとなる。とはいっても、プログラムで自動的にページを生成するのは難しくない(事実、「MHP2G: まとめ」以下のページ総数は 5000 以上である。もっとも、武器やクエストはタイトルが書いてあるくらいだが)。本当に厄介なのは、この一つ一つがそれぞれ細かなパラメータを持ち、しかもそれらが各々に関連性を持つ(つまり、個々のページの各パラメータから個々のページにリンクを張らねばならない)ことである。

クエストに行ってモンスターを倒すとアイテムが剥ぎ取れる。報酬でも、フィールドで採取してもアイテムが得られる。アイテムを消費すると武具を生産することができる。そうして獲得した防具や装飾品にはスキルポイントが付いている——。このように、各要素のパラメータは互いに関連し合っている。この関係性を Wikipedia のような形で構築したい。MHF では通称「小部屋」というサイトが高名であるが、ここを見ればおおよそのイメージができるかと思う。

さて、主な関係は以下のようになるだろう。

クエスト─モンスター
 │    │  ┌─装飾品┐
 │    │  │    ├スキル
 ├─── アイテム──防具┘
 │      │
フィールド   武器

簡単な例を考えよう。10 種類のフィールドがあるとする。1 つのフィールドには 10 のエリアがあり、1 つのエリアには 5 つの採集ポイントがある。1 つの採集ポイントからは 5 種類の異なるアイテムがそれぞれある確率で獲得できるとしよう。このとき、フィールドのページからアイテムのページに張られるリンクの数は、5 × 5 × 10 × 10 = 2500 リンクとなる。実のところ、これは大した数ではない。

各クエストで出現し得るアイテムの種類(同種の確率違いを含む)は 10 種類を下らない。したがってこの関係性は、450 クエスト × 10 種 = 4500 以上のリンクを生み出す。それだけではない。クエストが 450 種類あるということは、そのクエストが行われるフィールドへのリンクが 450、そのクエストに出現するモンスターへのリンクが 450 × モンスター数、そのクエストで支給されるアイテムへのリンクが 450 × アイテム数……ということでもある。いくらでも増えるのである。

また、武器や防具がそれぞれ 4 種類の素材から生産できるとすると、武具のページから張られるリンク数は (1500 + 2000) × 4 = 13500 となる。武器には強化もある。生産の半分としても 3000 リンク。防具に 4 種類のスキルポイントが割り振られていれば、これで 8000 リンク。装飾品が 170 種 × (アイテム 3 種 + スキル 2 種) で大体 1000 リンク。

細かいものならばもっと沢山ある。調合ならば、生産アイテム+生産アイテム=生成アイテムというレシピが 170 種類、したがって約 500 リンク。店売りや農場などを考えたらキリがない。トレニャーだけで 1400 リンクもある。また、モンスターは種類によって差が激しいが、リオレイアくらい素材や出番が多くなると、一種で結構な数のリンクが発生する。

何だかんだで、片道合計 5 万リンク程度が要るのではないか。

重要なのは、逆方向のリンクも同時に存在するということである。上記の例でいえば、「このアイテムが得られる採取ポイント」「このアイテムが得られるクエスト」「このアイテムを使用する武具」という具合である。そして、このバックリンクの生成にこそプログラムが威力を発揮する。フォワードリンクは基本的に置換で作成可能だが、バックリンクは「抽出」という作業を経ないとできないからである(これとて突き詰めれば検索と置換ではあるのだが、やはり少々複雑になる)。

ざっと勘定して、MHP2G の正確なデータサイトには 10 万を越える要素関連リンクが必要であると思われる。先に見た通り、主な構成ページ数は 5400 なので、ページ当たりのリンク数は平均 20 弱となる。そんなところであろう。これに各種ナビゲーションや、手書きページのリンクが加わる。これが馬鹿にならない。「トップへ」などというリンクが 5 つあるだけで、5400 ページだと合計 27000 リンクになってしまう。このあたりも自動化しないと追い付かない。最終的に、約 6000 ページ、15 万リンクほどになるのではないか。

これほどのオーダーになると、大人数で編集した Wiki でも記載漏れや表記ミスが出てくる(Wiki は基本的に手書きのシステムである)。結果、能力のある者が機械的に運営する「小部屋」のような個人サイトが、CGM やら集合知やらを上回る現象が起こり得る。これは、なかなか示唆に富んだ傾向のように思われる。

2010/09/18/Sat.

新作ポケモン発売、FF14 Oβ 開始、TGS 2010 開幕と、ゲーム関連の情報が盛り上がってきた。昨今、あまりゲームをプレイしなくなっただけに、逆説的ではあるが、良いゲームに巡り合いたいという欲求は募るばかりである。

気になったニュースを採り上げるなら、以下の三つだろうか。

FF14 とアイマスはプレイしないので、傍観者として炎上騒ぎやお通夜会場を楽しんでいるが、デビル名倉イ DMC は好きなシリーズだけに哀しくなった。ダンテ……、どうしてこうなった。

(外見にしろ内部システムにしろ——ゲームに限った話ではないが——、明らかに誰も望んでおらず、利益も見込めないものが実装されるという現象は極めて興味深い。どのような過程を経てこのような行為がなされるのだろうか。会社などではよくあることなのかもしれないが、よくわからぬ)

そんな中、MHP3 はほとんど不満が聞こえてこない素晴らしい仕上がりになっているようで、十二月一日の発売が楽しみである。MHF はもう引退してしまったが、今でも掲示板は面白く読んでいる。マゾいマゾいといわれながらも、着実にアップデートが重ねられているようで何よりである。

既に仕様の固まっている MHP3 や MHF に今さら要望はないが、「新作 MH がこうなったら」という妄想は常に抱いている。

例えば、FF14 で導入されるギャザラー(採掘師、園芸師、漁師)やクラフター(木工師、鍛冶師、甲冑師、彫金師、革細工師、裁縫師、錬金術師、調理師)といったジョブは、MH の世界にとてもよく似合う。MHF は MMO 的な展開を目論んでいるという噂が絶えないが、それならば、モンスターをひたすら手強くするという縦の深さよりも、生活感に拡がりを持たせるような横の発展を目指した方がゲームに奥行きがでるだろう。

もちろん、MH の根幹はアクションにあるので、こちらについて考えることが多い。例えば、攻撃属性は武器種固定ではなく、棍棒のような片手剣ならば斬属性ではなく打属性なる、というように柔軟な変化が実装されれば、戦略の幅が広がり、色々の武器を担ぐ機会も増え、コレクションの動機付けとなり、結果としてゲームの寿命が伸びる。その点で、MHF の特殊リーチ武器は評価されるべき挑戦である。リーチ長のランスなどは扱っていて心地良かった。

このような妄想はいくらでも湧いてくるが、虚しいといえば虚しいし、愉しいといえば愉しい。

関連

2010/09/01/Wed.

MHP3 の発売日が十二月一日に決定したという。したがって本欄の更新も残り数回となる。よく続けてきたものだ——とは思わぬ。MHP3 が発売されなければ、いつまでも MHP2G を続けているであろう。

永いプレイ期間の最後になって思うのは、過去に売り払ってしまった素材たちのことである。最終的には金など余ることになるのだが、そこに至るまでの途上でしばしば財政難に屈し、余剰の素材を換金してきた。これが返す返すも残念である。

素材やアイテムは、ボックスの中で最大 99 個までスタックすることができる。このとき個数は白い文字で表示されるのだが、最大値の 99 になると赤文字になる。パラメータ愛好家をくすぐる仕様である。素材を集めて 99 個にしてやろうと思う。ところが、集め出すと集まらないのが MH の素材である。かつては売り払うほどに集まった素材が一向に溜まらない。売却額を確認してみると(今からすれば)端金である。こんな金のために貴重な素材を手放したのかと後悔する。

MHP3 では、もっと素材やアイテムを大切にしながらプレイしようと思っている。

ギルドカード

斜体: 限界値前回までの結果はリンク参照。

プレイ時間 1838 時間 50 分 大剣 761
ギルド P 4664265 太刀 140
友好度 112 片手剣 127
称号 笑い者 双剣 145
村長下位 628 ハンマー 316
村長上位 548 狩猟笛 123
集会所下位 304 ランス 235
集会所上位 857 ガンランス 103
集会所G級 1312 ライトボウガン 107
トレジャー 50 ヘビィボウガン 625
訓練所 213 262
計(MHP2〜) 計(MHP2G〜)
サイズ(金冠済) 狩猟数
ドスギアノス 649.8 959.9 107
ドスランポス 649.8 959.9 149
ドスゲネポス 651.6 937.1 125
ドスイーオス 689.4 1092.2 134
イャンクック 459.9 1149.8 287
イャンガルルガ 887.3 1289.6 101
ゲリョス 892.1 1348.2 178
ヒプノック 734.7 1152.2 103
リオレイア 1448.1 2221.6 188
リオレウス 1433.9 2167.1 235
フルフル 436.6 1178.8 149
バサルモス 1154.9 1686.9 171
グラビモス 1952.9 2918.9 119
モノブロス 1863.9 2705.7 153
ディアブロス 1893.7 2990.1 154
ティガレックス 1527.1 2255.9 118
ナルガクルガ 1377.9 1970.7 100
ドスガレオス 1369.1 1953.6 126
ガノトトス 2153.1 3241.3 163
ヴォルガノス 1800.8 2845.7 100
ダイミョウザザミ 887.4 1346.8 281
ショウグンギザミ 742.2 1260.0 160
ドスファンゴ 503.7 1188.6 194
ババコンガ 915.1 1308.7 213
ドドブランゴ 799.8 1212.6 143
ラージャン 912.0 1459.2 110
キリン 441.1 928.6 82
クシャルダオラ 1387.8 2097.4 53
オオナズチ 1656.8 2493.9 43
ナナ・テスカトリ 1496.4 2175.0 62
テオ・テスカトル 1496.4 2436.0 51
狩猟数 狩猟数 狩猟数
アイルー 151 モス 492 ガレオス 152
メラルー 868 アプトノス 259 ヤオザミ 732
チャチャブー 497 アプケロス 424 ガミザミ 193
キングチャチャブー 49 ギアノス 721 シェンガオレン 51
ランゴスタ 3756 ランポス 1384 ブルファンゴ 822
クイーンランゴスタ 100 ゲネポス 1232 コンガ 767
カンタロス 630 イーオス 949 ブランゴ 816
大雷光虫 597 ガブラス 580 ラオシャンロン 36
ガウシカ 118 アカムトルム 71 ヤマツカミ 40
ポポ 123 ウカムルバス 50 ミラボレアス 34
ケルビ 146

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