- 『アサシン クリード』: First Impression

2008/03/02/Sun.『アサシン クリード』: First Impression

10時間ほどプレイして、本編のミッションを 3つクリアした。その時点での感想。

背景、地形、建物などのグラフィックは極めて美麗で、これは "Oblivion IV" に匹敵するレベル。ミッションの舞台となる各マップも広大、かつ稠密に作り込まれている。『アサシン』で再現された 12世紀末のエルサレムの情景は圧倒的で、ブラブラ歩いているだけでも楽しい。

一方、人物のグラフィックは今一つ。『真・三國無双 5』のモブか、それ以下のレベル。群衆の AI は、アルゴリズムの出来は良いが、演出で損をしている感じ。一般市民は、殺人現場から逃げ出したり、恐怖に脅えたり、主人公・アルタイルのアクションに突っ込んだりと、なかなか味のある反応をするのだが、いかんせんパターンが少ない。同じような声、同じようなリアクションが重なる。これで飽きるのが早くなるとすれば残念なことだ。

『アサシン』は「暗殺」が主題であるから、ゲームの流れは、情報収集 → スニーキング → 暗殺 → 逃亡、となる。情報収集は RPG 的な要素があって最初は楽しいのだが、これまた同じようなパターンが続くので、慣れると作業感が強くなる。もう少し工夫が欲しい。

それから、これは本作最大の瑕瑾だと思うのだが、主人公が強過ぎて、スニーキングと逃亡の緊迫感に欠ける。見付かっても大丈夫、敵に囲まれても平気、なのである。敵にバレても、まァ向かい撃てば良いか、となってしまう。このあたりは MGS の緊張感に比べて随分と劣る。

アクションは面白い。屋根の上を走りまくるフリー・ランニング、壁をよじ登りまくるフリー・クライミング、騎乗しての疾走、街中の要素を駆使しての隠密行動などなど、簡単な操作で多様な動作が楽しめる。各コマンドに対するアクションは、状況に応じて contextual に変化する。大変スマート。特にクライミングは秀逸で、アルタイルの行動範囲は文字通り立体的である。

まだクリアしていないので何とも言いかねるが、本作には "Matrix" 的な要素が含まれている。エフェクトにも "Matrix" の影響が色濃く滲み出ている。正直、今更 "Matrix" かよ、という感じはある。スパイスとしてならともかく、割とモロに出てくるので、「何だかなあ」と思う人もいるかもしれない。