- 元左利き

2012/08/13/Mon.元左利き

幼少の頃、俺は左利きだったが、親に矯正されて完全な右利きとなった。左利きの記憶はうっすらとだが残っており、今でも左手は普通の人よりよく動く——と思っていた。

ドラムを叩いて実感したことだが、右手に比べて左手の動きが悪過ぎる。スティックを振る上で重要なのはスナップだと思うが、とにかく左手首が動かない。精密な動作ができないためフニャフニャとしているくせに、握力がないので余計な力が入ってスナップが効かない。最悪である。

とりあえず、右手と左手で同時にスネアをバンバンと叩いて練習している。両手を一緒に動かすことで、具体的にどこが違うのかが体感できる。非常に幼稚な動作だが、効果は大きい。

もう一つ、これと関係する問題がある。

教本などには、両腕を交叉させて右手でハイハット、左手でスネアを叩くクロスハンド奏法が一般的と書いてある。一般的だか何だか知らないが、どうも納得がいかない。ごく素直な感想として、両手を交叉させるのは不自然である。身体が左を向くことの利点もよくわからない。そんなにハイハットを右手で叩きたければ、スネアと位置を入れ替えれば良かろう、とすら思う。もっとも、スネアを左にすれば別の不自由が出てくるので、クロスハンドなるものが存在しているわけであるが。

すぐに思い付くのは、左手でハイハットを叩けば何も問題はないということである。そうすれば、わざわざ両手を交叉させる必要はなくなる。このオープンハンド奏法は主流ではないものの、少なからぬ奏者が存在する。

それでオープンハンドを試してみたのだが、左手が自由に動かないことには話にならないことを悟って冒頭に至るわけである。クロスハンドの場合は右手が主なので、左手が多少怪しくともマシに聞こえるが、オープンハンドではそうはいかない。

いずれにしろ、左手は鍛えなければならぬ。奏法云々以前の問題であろう。