- ひな鳥

2008/06/23/Mon.ひな鳥

川端康成『伊豆の踊子』featuring with 荒木飛呂彦

ますます日本の出版社に絶望を抱いた T です。こんばんは。

ハヤカワの次は集英社か。

川端康成『伊豆の踊子』の表紙を荒木飛呂彦が手がけて話題になっている。

賛否両論毀誉褒貶があるようだが (どちらかというと悪評が多い)、元凶は荒木にオファーを出した者にある。引き受けたからには、荒木は荒木の絵を描くしかない。仮に「空気を読んで」画風を変えれば、それは荒木自身による、芸術家・荒木の否定になってしまう。そんなことはあり得ない。

「空気を読んで」オファーを断るという選択肢も荒木にあった。そうすると今度は、「『伊豆の踊子』という小説と私の画風は合いません」という、漫画家・荒木による『伊豆の踊子』(という自らとは異なる分野の芸術) に対する「解釈」が誕生してしまう。これって、職人的プロとしては避けたい行為だと思うんだよね。

荒木飛呂彦先生は、この絵を描くしかなかったと思うんだよなあ (自分に何の益がないことがわかっていても)。責められるのはむしろ、文庫本編集者の白痴ぶりであろう。荒木が漫画界で占めている地位を考えれば、こんなオファーなんてしないと思うんだけど。川端康成にも失礼だし。

研究日記

OB の先生が残していったデータで俺が文章を書いている論文 (長いな……) に、添削の順番が回ってきた。ボスの修正を幾つか受けて、終わりが見えてきた。Figure はもう完成している。

午後は断続的に、ボス、M先生とディスカッション。

夜はセミナー。終了後、ボス、研究員嬢と大学近くの焼き鳥屋へ。「ひな鳥」が卵を産み終えた雌鶏であり、その肉は少々固いことを学んだ。日付が変わる前に帰宅。