- お役に立ちますハヤカワ文庫。

2008/06/22/Sun.お役に立ちますハヤカワ文庫。

ハヤカワ・ファンの T です。こんばんは。

最近のハヤカワ文庫の帯がヒドい。アニメ調の女の子が大きく描かれており (「イトウゆーじ」という人の絵らしい)、以下のような文言が添えてある。

そこのアナタ、SF やミステリだけがハヤカワ文庫だと思ったら大まちがいよ。ハヤカワ文庫はノンフィクション——たとえば社会系雑学だってめっぽうツヨいの。ホントにあった「ノーベル賞受賞者の精子バンク」の顛末とか、仰天民事訴訟のあれこれとか。雑学ネタが豊富な人ってモテるじゃない? スキマ時間にさくっと読んでネタを仕込んでおけば、学校でも職場でも合コンでも人気者まちがいなしよ!

(お役に立ちますハヤカワ文庫。「社会」)

頭が痛いぜ……。

昔のハヤカワ文庫は「読めるものなら読んでみろ」という感じだったが、それが今や何という媚び様。しかもズレてるんだよなあ。「雑学」なんていらないし、「スキマ時間」はネットで消費する。

ここ数年、ちくま学芸文庫のラインナップが非常に充実してきて、ハヤカワ・ノンフィクションはすっかりお株を奪われたかのようである。ちくま学芸文庫が、たとえ 1冊 1500円でも売れているのは、「学術的で」「読破に時間のかかる」書物をしっかりと出版しているからだと思うのだが。