- Ganglion

2008/04/17/Thu.Ganglion

Win - Win の関係というが、それは要するに当事者間に限定したときの話だよな、と思う T です。こんばんは。

第三者にとってはどうか、という。

研究日記

動物実験のための予備試験を行う。マウスの全血を抗体と反応させ、flowcytometry で血球の表面マーカーを観察するという実験。ありふれた系だが、実際にやるのは初めて。ポイントは、どれくらいの血球が取れるのか、抗体反応の条件、flowcytomery での展開の実際、というあたり。

大学近くの動物業者に赴き、実験計画について打ち合わせをした後、依頼していたマウスの全採血を行ってもらう。わがままを言って実験室に入り込み、採血の様子も見学させてもらった。たかが採血とはいえ、学ぶべきことは多い。何でも見ておきたい。

採取した血液を受け取り、大学へと持ち帰って解析した。結果はまずまず。

業者には「センセイに御足労願わなくとも血液だけでしたらこちらで採取して大学へお持ち致しますのにわざわざ恐縮でございます」みたいなことを言われた。この会社のポリシーは「先生方は頭、我々どもはその手足」らしいが、俺は先生じゃないし、手足としてボスから金銭を受領しているという点では業者と何ら変わりない。これから世話になる業者に足を運ぶのは当然のことであり、実際の実験で迷惑がかからぬよう気を付けねばならないのはむしろ俺の方だ。邪魔ではなかったろうか。

このあたりの匙加減は難しい。ミッションの遂行を至上命題とすれば、俺はサンプルの解析に専念し、少なくない金額が投入される動物実験が支障なく進行するべく各種書類を片付けるべきかもしれぬ。わざわざ業者を訪ねるなど無駄かつ野暮であり、向こうからすれば迷惑なだけかもしれない。それでも一人の実験者として譲れぬ部分が俺にもあるわけで、色々と考えることも多い。

雨の中を歩いたからか、少し風邪気味。