- Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of JAPAN

2008/02/25/Mon.Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of JAPAN

文部科学省の英語名は長過ぎる、といつも思う T です。こんばんは。

間が抜けている。あと、"MEXT" と略すのはやはり無理があると思う。

研究日記

ボスのお伴で、研究費申請に関するヒアリングのために文部科学省へ行ってきた。研究内容についてはまずまず好意的な感じだったが、研究体制や研究を進める方向については辛辣なコメントが浴びせられた。申請が通りそうな雰囲気では全くなかった。「申請カテゴリーの選択を間違えたかなあ」とボスは悔やんでいた。私もそう思った。結果論ではあるが。

今回の失敗は次回の申請に生きるだろう。その点、科研費の申請は就職活動と似ている。

「ま、今日は文部科学省を見学しに来たということで」などと笑いながら、東京駅でボスと夕食を摂った。ボスを含む医者にとって、「役所」といえば厚生労働省のことであり、文科省にゴチャゴチャ言われたところで「何を言うておるか」という感じが強いようだ。確かに厚生科研と文部科研では、その運用や目的にニュアンスの違いがある。とはいえ、医者ではない私が世話になるとすれば文部科研しかないのであり、そういう意味で、今回の文科省への遠足には色々と学ぶべきところがあったように思う。

食事中、ボスに電話がかかってきた。私も共著者となっている論文 (accepted) が、ようやく publish に至ったらしい。Journal には、我々の論文と、ほとんど同じ結果を報告した別のグループの論文が並んで掲載されるという。よくある話ではあるが、実際に身近で起きると恐ろしい。我々の論文の内容は 1年前に国際学会で発表済であり、恐らくその時にアイデアをパクられたものと思われる。証拠もなく「パクリ」と誹謗するのは良くないが、問題のグループは、これまでにこのテーマで論文を発表したことがない。また、我々の誰一人として、問題のグループの名前を知らなかった。あり得ない状況であり、十中八九「パクリ」と断定して良いだろう。

このグループが、これからどう動いていくのか。しばらく注意する必要がある。今のところ、priority は我々にある。問題のグループの結果によって、我々の主張がさらに補強された——とまァ、これくらい強気の宣伝が、今後必要になってくるだろう。

「これでセンセイ (= 私のこと) の論文は何本や?」とボスに問われた。今のラボでの成果としては、first author が 1本、coauthor が 2本。全て今年度のものである。就職してからの結果が形となるのに、2〜3年かかったことになる。そもそも、実験結果が出てから論文になるまでに、1年ほどのラグがある。業績を評価するときに注意するべき点であり、評価される側が考慮してほしい部分でもある。研究をしている人は、一番苦しいときに形となるものがないから、他者からの理解が得られにくいのだ……が、愚痴は止めておこう。

その他に、in revision の coauthor が 1本。Manuscript を書いている段階のもので coauthor が 3本。特に大学院の K先生の論文では second author にして頂いているので、私も惜しまず協力している。良い論文になってほしい。

「それで 7本か」とボス。全部 accept されたら、だが。「今日みたいに研究費を申請しようとすれば、小額でも 10本は要るぞ」。

——道は遠い。