漢字が好きな T です。こんばんは。
昼間は暑いが、夜になると涼しくなって快い。良い季節だ。窓を開けていると羽虫がうるさいときもあるが (「五月蝿い」とはよくいったものだ)、「夏が来るんだなあ」という趣もないとはいえない。私は夏が好きだ。
「虫」といえば狭義には昆虫を指す。蝶 (ちょう)、蛹 (さなぎ)、蝉 (せみ)、蝗 (ばった)、蛍 (ほたる)、蟻 (あり)、蜂 (はち)、蟋蟀 (こおろぎ)、蚤 (のみ)、虱 (しらみ)、蝨 (だに)、蛆 (うじ)、虻 (あぶ)、蚊 (か)、蛾 (が)、蝿 (はえ)、蚕 (かいこ)、蚋 (ぶよ)、蜻蛉 (とんぼ)、蜉蝣 (かげろう) などなど、「虫」の字を含む漢字は多い。
昆虫以外にも蜘蛛 (くも) や百足 (むかで) なども一般的には「虫」という。確かに、漢字の中には「虫」の字がある。蠍 (さそり)、蟹 (かに)、蝦 (えび) などの小型節足動物は大概が「虫」であるといって良い。
蚯蚓 (みみず)、蛔虫 (かいちゅう)、蠕虫 (ぜんちゅう) などの環形動物、蛙 (かえる)、蝦蟇 (がまがえる) などの両生類、蛇 (へび)、蝮 (まむし)、蜥蜴 (とかげ) などの爬虫類、蝸牛 (かたつむり)、蛞蝓 (なめくじ)、蛸 (たこ)、蛤 (はまぐり)、牡蛎 (かき)、蜆 (しじみ)、浅蜊 (あさり) などの軟体動物も「虫」である。小型であるか、あるいは中型までで気味の悪い生物は、漢字の枠組みでは全て「虫」なのだ。
「虫が好かない」「腹の虫が鳴る」「虫の知らせ」「虫の居所が悪い」など、何だかわからないものも全て「虫」のせいにされた。何とも「虫の良い」話ではないか。虫からすれば「虫酸が走る」ところだろう。彼らにだって尊厳はある。「一寸の虫にも五分の魂」というではないか。
「虫」は旧字で「蟲」と書くが、何故に「虫」を 3つも重ねるのか理解に苦しむ。どう考えても無駄だろう。悪意があるとしか思えない。もっとも、そこがまた「蟲」という字の魅力なのだが。
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