書評を溜めている T です。こんばんは。
本日は休み。日曜日も休んだばかりなのに……と思ってしまうのは間違いなんだろうな。
PSP を買ってきた。ソフトは「Monster Hunter Portable 2nd」。MH は PS2 の無印をやっただけ (それ以後のシリーズはオンラインの比重が大きくて手を出さなかった) だが、非常に中毒性の高いゲームである。レベルという概念がないアクション・ゲームなので、難しいクエストをクリアするには純粋に自分の腕を上げるより他はない。で、また自分の成長というものが如実に感じられる作りになっているんだな。かなり難しいけれど、やり甲斐はある。
来週から始める実験のための勉強を少し。
それとは関係ないが、ES 細胞 (embrionic stem cell; 胚性幹細胞) と成体幹細胞 (adult stem cell) の違いについて書く。昨日、テクニシャン嬢に説明したことなので、何となくついでに。
どちらも様々な細胞に分化するという多分化能を持つが、ES 細胞が身体を構成する全ての細胞になり得る (全能性; totipotency) のに対し、成体幹細胞は限られた種類の細胞にしか分化できない。ES 細胞の多分化能は胚葉の区分を越えるので pluripotency といい、成体幹細胞の多分化能は特定の胚葉に限定されるので multipotency と呼んで区別する。これらの述語に相当する正式な日本語は、今のところない。
さて、以下は将来、細胞移植による再生療法を考えたときに問題となる話である。
例えば心筋細胞は分裂・増殖しないので、貴方の心臓が梗塞などによってダメージを受けた場合、現在では根本的な改善は望めない。そこで、ES 細胞あるいは成体幹細胞を分化させて心筋細胞を作り、それを心臓に移植すれば心機能も回復できるんじゃないか、というのが再生医療の基本的なアイデアである。大勢の研究者が、ES 細胞あるいは成体幹細胞から特定の細胞へ分化する仕組みを一生懸命に研究している。
では、移植のソースとして ES 細胞と成体幹細胞のどちらが有利なのか。これには一長一短がある。
とまあ、一方のメリットが他方のデメリットであるような関係である。したがって、それぞれの細胞の利点を伸ばし、弱点を克服するような研究が必要になってくる。また、両方の細胞の良い点だけを持つ細胞を作ってしまおうという研究もある。体細胞の再プログラミングによる疑似 ES 細胞化なんていう、ビックリするような仕事がそれである。簡単にいえば、ES 細胞のゲノムだけを貴方のゲノムと入れ替えれば、貴方の ES 細胞ができるんじゃね? という話である。発想はわかりやすいが、ちょっと勉強した人ほど、「無理だろ」と思ってしまうアイデアである。ところが、これも少しずつ技術が進んできている。
これらの中で、将来どれが有望になってくるのかは今のところ判然としない。恐らく、必要となる細胞種によって使い分けがなされるのだろう。そのときに重要となるのが再現性なのだが、幹細胞の研究ではとにかく再現性を取るのが難しい。だから捏造なんかも出てくるわけで……。