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2006/12/17/Sun.Choice

どうやら風邪も治った T です。こんばんは。

日記に書くのをすっかり忘れていた。

通勤時の心の支え、我らがおけいはんが、今月から 3代目・森小路けいこ (音大生) になった。ちなみに、2代目は京橋けいこ (教師) で、初代は淀屋けいこという。苗字が京阪本線の駅の名前になっていて、大阪から京都へと向かっているわけである。

全く関係のない話だが、日本の大学で学園闘争が吹き荒れていた頃、音大や芸大では全く紛争がなかったそうである。若い内に技術を身に付けねばならない彼らにとって、紛争などしている暇はなかったのだ。と、何かの本で読んだ。確かにそうだよなあ。

大隈重信は肥前佐賀藩士であった。藩校弘道館での教育は凄まじいもので、25歳くらいまで、みっしりと儒教を暗記させられる (この中に『葉隠』も含まれる)。規定の成績が取れないものは退学させられ、禄を削られる。制度の厳しさ、そして内容のつまらなさは、現代の受験勉強も真っ青だったらしい。

一藩の人物を悉く同一の模型に入れ、為めに倜儻不覊 (てきとうふき) の気象を亡失せしめたり。

(『大隈侯昔日譚』)

このような想いが、大隈に早稲田大学の学風を創らせた。と、何かの本で読んだ。

現代の受験・就職という価値観からすれば、少年達が目指すべき大学は、日本でただ 1種類しかないように思えるかもしれない。また、実際そういうふうに見える。ところが、日本の大学も意外とバラエティに富んでいるものである。そういうことを、私自身が大学生になってから気付いた。しかし残念ながら、受験生がそのことに気付くのはおよそ不可能である。受験の体制がそうなってしまっている。知っていれば選択肢も増えるだろうに、と残念でならない。ナイーブな考え方かもしれないが、さっさと学制を変えねば、日本はどうにかなってしまうんじゃないか (もうなっているともいえる)。

幸いにも、近年の日本では大学間での移籍が活発かつ容易になっている。私も来春から、出身とは異なる大学の異なる学部の大学院生となる。別段、珍しいことではない。できるだけ多くの場面で、できるだけ多くの選択肢を提示できるのが良い社会だと思うんだよな。