- 色分けに気を付けろ

2006/10/08/Sun.色分けに気を付けろ

研究で求められるのは結果ではなく真実だと思う T です。こんばんは。

研究日記

病院。

細胞の flow cytometry。流された細胞は、径や各種蛍光強度によって 2次元平面にドットとして展開される。簡単な例でいうと、 x 軸に細胞径、y 軸に蛍光強度を取ってやれば、「抗体と反応した大きい細胞」は画面の右上に現れる。その群を囲ってやって、色々と解析するわけである。

「群」といったが、細胞をいつも綺麗にグループ分けできるわけではない。ある表面マーカーが発現している・発現していない、という単純な二者択一の場合は、比較的明瞭に群別できる。しかし、「だんだんと発現が減っていく」というようなケースでは、細胞のドットは連続した帯状の模様を描く。どこかで機械的に線を引かねばならないのだが、その加減が難しい。

ある細胞群を囲ってやると、そのゲート内のドットの色が変化する。解析しやすいように、というソフトウェアの配慮なわけだが、非常に危険なことに、一旦色が変わってしまうと、その群別が非常に「それらしく」見えてしまう。星座みたいなもんだな。満天の星空を眺めても何が何だかわからないが、一度「あの星とあの星を結ぶと星座になるよ」と言われれば、もうそのようにしか見えなくなる。視覚認知の恐ろしい一面である。

恣意的にならないようにと気を付けてはいるが、生理を制御する困難をいつも味わっている。