- いびきをかくと太る

2006/09/23/Sat.いびきをかくと太る

いい加減にラジオを更新せんとなあ、と気にはなっている T です。こんばんは。

やはり面倒臭く感じる。面倒臭さと作業量は必ずしも比例しない。録音からアップまでのシステムが最適化されていないのでイライラするのだ。ラジオはまだ 7回、片や日記は 1153回も更新している。成熟度が全く違うのは当然だが、それだけにラジオの「面倒臭さ」が耐えられぬ。モチベーションが高ければ頑張ることもできようが、ノリで作ったコンテンツなので、今のところそれほどの愛着もない。かろうじて留保しているのは、技術的 (Web の技術、音声編集の技術、話す技術などなど多方面) に挑戦のしがいがある課題だからである。

例えば 1回に 30分話して、それを 10回に分ければ少しは楽になるのでは。ということに気付く。30分も話すことはないけれど。歌でも歌ってみようか。

研究日記

病院 → 講演会 → 大学。

どうも忙しない。しかし、今日の講演会は面白かった。睡眠時無呼吸症候群 (SAS; sleep apnea syndrome) という症状がある。これまで、肥満した人間に多いと考えられていた症状である。いわく、太っていると気道が詰まりやすい、などという説明は理解しやすい。

ところが、どうも違うようなのだ。そもそも SAS には自覚症状がなく、別の病気で入院でもしない限りは発覚することがない。であるから、明らかになっている症例は氷山の一角に過ぎない、という推測も蓋然性が高い。実際に大規模な調査を行ってみると、(この数字は大袈裟だと思うのだが) 実に 1/5 の人間が SAS であるという。

重度の SAS 患者は、肥満、高脂血症、高血圧などのリスク・ファクターを併発している割合が高い。従来、これらのリスク・ファクターが SAS を誘発していると考えられていたが、実際は逆、つまり SAS が肥満やら高血圧などの原因ではないか、最悪の場合は悪循環を形成しているかもしれぬ、という話であった。

気管を手術して人工的に SAS を発症させた犬の実験では、血圧やらサイトカインのスコアが増悪する。転写因子まで動く。SAS とは要するに低酸素ストレスであるから、同種の細胞実験と似たような結果が出てくる。臨床から molecular なレベルに話が落ちてくると、ようやく俺も理解できるようになる。

いびきをかくと太るのか。などと無茶苦茶に単純化して頭にしまい込む。こうしておくと、後から演繹的に思い起こすことができる。「SAS では転写因子 A が動く」というような形の記憶は、すぐに消え去ってしまう。「発現が上がったんだっけ、下がったんだっけ」となるわけだが、それは単に証明に必要な材料というだけであって、知識とはいわない。重要なのは、「増悪した」という結果である。

まァ、それでも記憶に自信がないので、ここに書いているわけだけど。