- 研究と入札

2006/09/20/Wed.研究と入札

どうも実験が上手く進まなくて困っている T です。こんばんは。

実験に失敗した、とかなら話は簡単だが、そうじゃないのでストレスが溜まる。試薬が予定通りに来ない。貰ってきたサンプルの詳細が曖昧である。などなど。そういうのを含めて仕事なのだ、と思うしかない。疲れる。

研究日記

病院 → 大学。

現在の科学研究費の申請は請求型だ。「これこれこういう研究がしたい。そのためにはこれだけの金がいる。だから下さい」という形式である。色々と問題点もあるようだが、まァ妥当なシステムだと思う。

以下は妄想である。請求型の予算申請にも、例えば「重点配分」や「先端領域」などがあり、分野によって採択の難易度が異なるのが現実である。裏を返せば、予算を出す側 (要するに政府) に、「こんな研究をしてほしい」という願望が存在することを証明している。別にそれは構わない。さて、これを一歩推し進めれば、「入札」という事態が発生するということに気付くだろう。政府が「こういう研究をしてほしいのだが」と提案する。各研究施設は、その研究を遂行するために必要な予算を見積もる。政府は、最も低額の予算を提示したラボに研究と予算を委託する。

もちろん、これは学問に対して極めて失礼な態度ではある。恐らく大学は、「学問の自由」を掲げて激しく抵抗するだろう。正論である。でも、一方で、先端的な研究は「国家戦略」とやらの一環を形成するものでもある。だから俺は、こういう制度があっても良いんじゃないか、とも思う。全部ではなく、あくまで一部としてだが。

そのような提案のできる人材がいるのか、というのが一番の問題だけど。