来週から 7月という事実に愕然としている T です。こんばんは。
小説・桃太郎がなかなか進まないので、ときおり進捗状況を書いて埋め草にしようと思う。ただ、よく見かける「今日は何文字書いた」という日記には何の意味もないので、少しは頭を使うつもりでいる。というか、読まれる前に読者を教育しておこうという深謀遠慮なのだ。ははは。
よほどの小説でない限り、あらかじめある程度の情報を仕入れていた方が面白く読める。これは俺の個人的な意見であるが、そうでないと、本の裏や帯に付された「あらすじ」の説明がつかない。
小説を書く方法は色々あるだろうが、その極めて初期の段階に、テーマとなるキーワードを抜き出すという作業は重要なんじゃないか。昨日の日記で、「桃太郎」のあらすじを、「桃から産まれた男は、それが鬼であるという理由だけで鬼を虐殺する」とまとめた。そこで、まずは下の唱歌を紹介する。
文部省唱歌「桃太郎」、作詞・不明、作曲・岡野貞一
- 桃太郎さん 桃太郎さん お腰に付けた黍団子 一つ私に下さいな
- やりませう やりませう これから鬼の征伐に ついて行くならやりませう
- 行きませう 行きませう あなたについてどこまでも 家来になって行きませう
- そりゃ進め そりゃ進め 一度に攻めて攻め破り 潰してしまえ鬼ヶ島
- おもしろい おもしろい 残らず鬼を攻め伏せて 分捕り物をえんやらや
- 万万歳 万万歳 お供の犬や猿・雉は 勇んで車をえんやらや
4番以降が圧巻で、特に 5番の「おもしろい おもしろい」「分捕り (ぶんどり) 物をえんやらや」、6番の「万万歳 万万歳」などは腹がよじれるほどに爆笑した。やっぱイイわ、昔話。えんやらや。
さて、ここからキーワードを抜き出すとすれば、やはり「快楽殺人」となるだろうか。他にも「買収から心酔へ」「強盗と共犯」「差別的帝国主義」などなど、物騒な発想が浮かぶ。必ずしも採用するわけではないが、「桃太郎」という話の重要な要素として、リストアップはしておきたい。取捨選択はまた別の作業である。
以下は考え方の例である。「桃太郎」における唯一のオリジナル要素が「桃からの出生」である以上、この断片を省くともはや「桃太郎」ですらなくなってしまう。これは必ず入れる。したがって、仮に「快楽殺人」をキーワードに「桃太郎」を展開するならば、それはほとんど必然的に、「桃から産まれたという出生がもたらすトラウマが原因で〜」というプロットが思い浮かぶ。つまらないけれど、まァ、あくまで例題として。
終日病院。ボスとディスカッション。「最近、勉強の方は?」と突然訊かれたので、何のことかと思ったら「院試の勉強」のことだった。ははは。と、薄ら笑いしながら帰宅し、『Molecular Biology of the Cell』をついつい開いてしまう俺は、多分、いい人。