- カッチョよさ

2006/01/05/Thu.カッチョよさ

核酸実験に比べ、ウエスタンは非常に洗練の度合いが低いと思う T です。こんばんは。

研究日記

サーマルサイクラー
サーマルサイクラーのグラフィカル・インターフェイス。写真は Applied Biosystems社製。その名も Dual 96-Well GeneAmp® PCR System 9700。カッチョいい。
GeneAmp 9700
パワー・サプライ
素晴らしいセンスのパワー・サプライ。写真は BIO RAD社製。その名も PowerPac Basic Power Supply。カッチョいい。
PowerPac Basic

この世のかなりの部分は、「こうすればカッチョいい」という男達の思惑によって作られているんじゃないか。男じゃないな、男の子だな。子供の心を持った、良くいえば純真な、悪くいえば幼稚な男が思い付いたに違いないという代物が、見渡せば沢山ある。

例えばカーナビ。これを考えたのは絶対に男だろ。カーナビを喜んで装備しているのも圧倒的に男である。道に迷わなくて便利だとかいう以前に、要するにダッシュボードにモニターがあって、地図が表示されて、しかも自分の運転と同期してリアルタイムに情報が更新されるというのが「カッチョいい」わけである。

そもそも車やバイク自体が男(の子)の玩具なのであって、タクシー・ドライバーやトラックの運転手に男が多いというのは、仕事がキツいとかそんな理由ではなく、単に、何時間も車に乗っていて飽きない人間というのが男であるに過ぎない。理由? カッチョいいからさ。

で、そういう「カッチョよさ」というものを、俺は常々実験機器に対して感じている。あれらも「カッチョよさ」を追い求めた男どもの傑作群だと思うのだが、いかがだろうか。シーケンサーやプレート・リーダーがガチョンガチョンと音を立てながら動く様、あれはもう完全に男のセンスである。サーマルサイクラーのカッチョいい液晶画面とか、素晴らしいセンスのパワー・サプライとかもな。

女性が作れば、少なくとも作る際に女性の意見を取り入れていれば、あんなヘンテコな機械にはならなかったと思う。そこらへんが家電とは全く違う。逆にいえば、この世界にはまだまだ男の方が多いわけだ。もっとセンスあふれる機器が出回るようになれば、色んな意味で成熟したといえるのかもしれない。そうなったらそうなったで、「カッチョよさ」をこれから追及しようとする若いエンジニアの卵達は、また新たなるフロンティアを探しに行くような気もするけれど。カッチョいいぜ。