- PCR 20周年

2005/07/23/Sat.PCR 20周年

カーテンがないとクーラーが効きにくいことに気付いた T です。こんばんは。

酒宴日記

昨夜はラボの方々と京都駅前のビアガーデンに。学会の打ち上げという名目だったようだが、俺は学会に参加してないんだよなあ。まァいいか。

研究日記

全く別の分野に飛び込んだので、勉強しなければならないことは多い。論文を読むのに疲れたら、学部生が読むような教科書で気分転換をしている。これはこれで楽しい。意外な発見もある。

初めて DNA が単離されたのが 1869年、DNA が遺伝情報であることが示されたのが 1944年である。ワトソンとクリックにより、DNA の二重らせんモデルが提唱されたのが 1953年で、これは俺の両親が生まれた頃である。この後、毎年のようにノーベル賞級の発見が続くが、肝心の DNA をクローニングできるようになったのは 1970年代に入ってからである。最初のトランスジェニック・マウスが作られたのは、何と 1981年、ショウジョウバエは翌 1982年である。俺が生まれた後じゃないか。さらに、PCR の発明に至っては 1985年! 今年で 20年目という、驚くほど若い技術である。

警察や司法が、我々からすれば信じられないくらい DNA 鑑定に慎重なのも、何となくわかる気がする。彼らが問題にしているのは、分子生物学の技術的・倫理的側面ではなく、その「時間的」実績のなさではないか。保守的な組織だから仕方ないようにも思える。革新的な裁判所ってのもイヤだし。

生物学の技術は急速に一般化している。これは素晴らしいことであり、同時に怖いことでもある。ずっと新しい知見や技術を追いかけ続けねばならない。大変な道を選んでしまったことに、後悔 闘志が湧いてくる。