- T式自己開発

2004/08/13/Fri.T式自己開発

「本当の自分」というフレーズには反吐が出そうな T です。こんばんは。

自分を探そう

自己の啓発だか開発だか知らんが、その手のセールスが我が豪邸に押しかけてきた。曰く、「本当の自分を探しに行きませんか?」

本当の俺ならここにいる。そう言うと、「いえいえ、そう思っているだけで、真の貴方は全く別物です。それを探しに行きましょう」ときたもんだ。あのな。仮に「真の俺」が別にいるとしても、それは脳味噌の中にあるんだろうが。だったらどこかに「行く」必要はない。部屋で座禅を組んでいればよろしい。要するに、低質な旅行に多額の金を出させたいだけなのだが、それだったら、同じ金で旅行会社のツアーに参加するわな。ボケが、失せろ。

本当の自分って何だ?

さて、では「本当の自分」というのは何か。「本当」というからには、「偽りの自分」が存在するんだろう。「偽りの自分」が生成されるパターンとして、自分が故意に偽っている場合と、他人が誤解している場合が考えられる。故意に偽っているとすると、それは自覚的なものであるから「自分探し」をわざわざする必要はない。ほとんどの場合、「偽りの自分」は他者からの誤解によって生まれる。

他者の誤解が何によって生じるかというと、他者の理解不足か、自分の表現不足だ。言う間でもなく、理解するより表現する方が難しい。だから、「偽りの自分」が形成される原因のほとんどは、自分の表現不足であると推論しても間違いではないだろう。

自己表現の基本は「言葉」だ。「言わなくともわかる」という愚劣な思想は捨てよ。世の中には、言ってもわからない奴が沢山いる。そんな奴らを前にして、黙っていてどうするのか。ほらほら、喋らないとどんどん「偽りの自分」が巨大になっていくぞ。……と、ここまで来ると、俺も件のセールスと変わらなくなってしまうが、まァ基本的にはこういうことである。

そのために、見知らぬ人と見知らぬ土地に行く必要はない。そもそも、そんな奴らに「本当の自分」を見せてどうするというのだ。これだけ発達した通信手段を使わない手はない。例え一人暮らしでも、家族や友人と言葉を交わすのは簡単だ。彼等は意外と貴方のことを知らず、そして知りたいと思っているものだ。始めに言葉ありき。「本当の自分」は頭の中にいる。それをアウトプットする手段は、言葉しかないのだ。

……なんてね。半分以上は冗談だが。セミナーか教団でも起こそうかしらん。