文庫版『ゴルゴ13』が、月の変わり目の楽しみである T です。こんばんは。
『ゴルゴ13』を読むとスカッとするね。小さなことでウジウジとしている自分がバカらしくなる。何て狭い世界の中で暮らしているんだろうと思う。
何せゴルゴ、どん底の娼婦街で、売笑婦を相手にズコバコやりながら情報を仕入れたかと思えば、次の日には最高級のホテルで、何億もの契約をキャッシュで成立させてしまう。気に入らないことは絶対にせず、立ちふさがる敵はブチのめし、仕事は常に完璧。北に復讐を願う人あれば、行って仇をブッ殺し、南にマフィアの抗争あれば、行って両者を壊滅する。妨害にも負けず、裏切りにも負けず、雨の日も、風の日も、必ず狙撃を成功する。そういう人に俺は……なれるわけないだろ!
ま、いかにリアルと言えども劇画、虚構である。実際にゴルゴのような人間はいない。しかしこう、何と言うか、気分が高揚する類の漫画なんだな。読み終わった後、すごく自分がゴルゴな気分というか。こういう漫画って、タマにある。例えば『北斗の拳』を読めば、どうしても「ほわたあっ!」とかやりたくなるし。秘孔を突いてみたり。
影響力の強さ。ある漫画が、傑作であるための条件なんだろうな。
おい、俺の後ろに立つなよ。