- Diary 2004/04

2004/04/28/Wed.

作りかけのベクターができているっぽかったので、「これで心置きなく GW を楽しめるぞ」と思っていたのに、今日、実際にプラスミドを取ってみると見事に縮んでいてガックリの T です。こんばんは。

久し振りに就職活動日記。「発表論文などのリストを Eメールで送ってほしい」とリクエストされたので、早速リストを作って添付ファイルで送ることに。失礼がないように、かなり文面に気を使って送信した。

ところが、えらく送信時間が短かったので確認したところ、文章に気を取られ過ぎたせいか、ファイルの添付を忘れていた。アホか俺は。仕方がない。もう一度送るか。しかし、さすがに「ファイルを添付するのを忘れていたので〜」と書くのは気が引ける。頭を絞って考えた末の文面がこれ。

先程メールを送りました T ですが、
添付ファイル送信中にエラーが起きましたので、念のため再送信致します。
お騒がせしまして申し訳ありません。失礼致しました。

いいんだよ、別に。就職さえできりゃあ、閻魔に舌の一つや二つ、くれてやらあ。

2004/04/27/Tue.

エントリーしたものの音沙汰なく、ダメであったかと諦めていた企業から返信があり、少し元気が出た T です。こんばんは。

今日は健康診断を受けてきた。春の一斉受診とあって人数も多く、かなり時間がかかった。特に最後の内科問診が大変混雑している。やっとのことで順番が回ってきた。提出した問診表にザッと目を通した医者先生との会話。

医「食生活はまずまずのようですね。あ、毎日歩いているんですか」
俺「家から大学まで歩いてきているんで」
医「いいですよお。でも、喫煙はいけませんね」
俺「減らしたいとは思っているんですが。禁煙にも失敗したことがあって……」
医「一度にやめるのが辛ければ、少しずつでも良いから減らしていきましょう」
俺「はい」
医「今年は就職ですか?」
俺「今ちょうど就職活動中です」
医「これから会社でも、ますます喫煙できなくなりますし、良い機会ですから頑張って減煙しましょう」
俺「はい!」

話し上手な先生で、減煙をやる気になった俺。延々と待たされた健康診断も、この問診で終了。いやあ、最後に良い話を聞かせてもらった。さ、ラボに戻って実験するか! テンションが上がった俺は爽快な気分で、

シュボッ! フーッ……うまい!

「減煙します!」と言った、その舌の根も乾かぬうちから、速攻スモーキング。アホか……。

2004/04/26/Mon.

朝から9kmも歩いた T です。こんばんは。

以前、バイクのメーターを利用して、我が豪邸から大学までの正確な距離を測定したことがある。実に 3 km。この半年間、ずっと徒歩出勤を続けているが、思えば毎日 6 km 歩いているわけで、これは結構な距離である。で、今朝ラボに着くと、俺のデスクに書類が置いてある。研究費の申請書類?らしく、「ハンコを押すように」と付箋がついている。あのな。そういうことは前もって言えって。しかも既に提出期日を過ぎているらしく、「急いでいるから」だとよ。だから前もって(略)

そんなわけで、掃除をした直後に再び徒歩で帰宅。ハンコを取り出してラボに戻る。さすがにバイクか自転車で戻ろうかと思ったが、夜からは雨が降るというし、結局は歩いて行った(帰宅時はヒゲマン氏に車で送ってもらった。感謝!)。週明け、その最初の 1時間半をウォーキングに費やし、とてもすがすがしい気分なわけがあるかバカ野郎。

大学関係で書類を書かされることも多いし、ラボにハンコを置いとけって言われるんだけどね、そういうのって嫌いなんだよなあ。いまだに「研究者は仕事場の近くに家を構えろ」とか言う人もいるみたいだけど、空間的に近いっていうのと、私生活が仕事場に侵入しているのって、明らかに違うと思う。

毎朝、大学のトイレの洗面台で歯を磨いている人とか。何で家でしないんだろうね。子離れじゃあないけれど、大学離れができていないままの教官って、かなり多いんじゃないかな。そういう人達が「就職活動ってのは……」とか「社会に出ると……」って語り出したりする。アンタ、いつ社会に出たんだよ。

さて、就職関連のニュースを一つ。

2004年度の新入社員は、気に入った仕事や会社よりも、まずは就職することを重視。

就職活動に臨んだ際の気持ちでは、自分が希望する企業かどうかを度外視してでも「就職することを最優先に考えた」が 64.4% とトップで、気に入った仕事や会社に就職できなければ「フリーターになる覚悟だった」の 31.6% を大きく上回った。

難しいところだよなあ。ところで、このアンケートで俺が切実に知りたいのが、「で、実際に希望する企業・職種に就けた人はどれくらい?」ということなのだが、これも厳しい数字なんだろうな。ある意味、知らない方が良いのかもしれない。

明日は健康診断。ビール飲んで早めに寝るか。

2004/04/25/Sun.

週末はよく食べ、よく飲み、よく遊んだ T です。こんばんは。

時価に保険料率
盗まれたら購入価格が丸ごと支払われる保険もある。勿論、保険料は高い。しかしハーレーなど、高価でプロの窃盗団に狙われやすい車種のオーナーには心強い味方と言えよう。

今日はバイクの任意保険と盗難保険の更新を済ませてきたのだが、そこで不思議なことが起きた。俺が加入している盗難保険は、バイクの購入価格ではなく、時価に保険料率がかかる。例えば、50万円で購入したバイクも、走るうちに、徐々に 50万円の価値はなくなっていく。ボロボロの中古車を盗まれて、「50万円で買ったバイクが盗まれたので 50万円支払ってくれ」などと言われても、保険会社としては承服できるわけがない。そこで毎年、更新時にバイクの査定をし、適正な時価を設定して、その上で保険料が決定されるというシステムなのだ。

去年の我が愛車の査定額は 40万円。いくらメンテナンスに気を付けているといっても、物理的な走行距離は増えている。否、たとえ 1 km も走っていなくとも、1年が過ぎただけで時価は下がるのは当然。まあ 30〜35万円くらいか、などと目算していたのだが、何と査定額は 43万円。増えとるがな。

高価なマフラーを付けたり、サスペンションを換装したりなどということはしていない。タイヤすら去年と同じまま。なのに査定額は上昇する。おかしな話だ。ちなみに、査定してもらった店は去年と同じ。違うのは査定してくれた店員さんだけ。ううん、もし下取りしてもらう場合は、気を付けねばならんな。

さて、この時価に保険料率がかかる。俺の契約している保険会社では 2.16%。ということは、単純に考えると、その保険会社が契約しているバイクの約 2% が盗まれていることになる。それ以上盗まれると保険会社は赤字だし、そんなに盗まれないのなら悪質な契約となる。バイク専門店が窓口となって扱いはしないだろう。

改めて考えると、2% というのは低い値だな。保険なんて全部そんなものだろうけれど。

「たった数% の不幸」という事実だけを頼りに、「俺だけは大丈夫」と思い込みがちな人間をリスクに目覚めさせ、あまつさえ保険料を出させるというのは、考えてみるとスゴいことだな。しかも完全に、社会の常識となってしまっているし。こんなややこしくて胡散臭いシステムもないぞ。

保険が最初に誕生したのは、確かロンドンだったと記憶している。英国人、凄いよアンタら。

2004/04/22/Thu.

危うく履修登録を忘れそうになった T です。こんばんは。

自炊の効果か、今月は残高に余裕がある。で、今夜は外食してしまった。つっても M弁だけど。週末にはバイクの任意保険と盗難保険の更新、加えて、古くなって破れたバイクカバーを新調しなければならず、それが俺の目算では合計 2万円ほどするのだが、それを支払ってトントンといった具合だろうか。来月からは貯金を目指して頑張ってみようと思う。結果が見え始めると、何でも面白くなってるな。

明日は K先生が新入生の研修旅行に随伴するということで、午後から不在。泊まりがけなので、土曜日のプログレスレポートもなし。いやあ、まことに残念。

ここ数日、自分の研究をまとめた PowerPoint 書類を作っている。昨年度の学会は全部ポスター発表だったので、PowerPoint を触るのも久し振りだ。普段から小マメに結果を整理しているつもりだが、いざまとまったものを作ろうと思うと、意外に時間を食う。まとめることで、不足な点、勉強しなければならないことも見えてきたりするし。

今のところ学会の予定はないが、急ぎの実験もないので、少し腰を落ち着けてちゃんとしたものを作ってみようかと考えている。

2004/04/21/Wed.

久々に連続更新の T です。こんばんは。

今日の自炊日記。安売りしていたスイスロールと発泡酒。自炊じゃねえし。組み合わせもヒドい。昨夜は結局、飯 3合と 2リットルの野菜スープを作った。「これで明日は自炊せずにすむぞ」などと思っていたのだが、たった一晩で(2回に分けて食ったとはいえ)全部たいらげてしまった。食い過ぎ。

そうそう、一人暮らしの自炊のポイントにもう一つ追加。

これも大事だと思う。後片づけが面倒だと、ついつい後回しになる。後回しにすると、次に自炊するときに、まず片付けから始めなければならなくなる。そうすると気分が萎え、段々とやらなくなるので、簡単に片付けられるような調理を心がけることは重要だ。

カレーなどを作ると鍋を洗うのが嫌になり、結局は水を張ったままにして放置することが多い。後から洗おうと思うのだが、日増しに鍋の中はおぞましくなり、最終的に異臭を放つようになることも少なくない。暑くなるこれからの季節、臭いには気を付けねばならない。などと、ベランダにゴミ袋を三つも溜めている俺が書いても説得力はないか。いい加減に捨てようや、もう一人の俺。

気が付けば、このサイトも 2周年を迎えていたのだな。色々と辛いこともあるが、発泡酒が美味しく感じられる時期になってきたのは素直に嬉しい。頑張るか。

2004/04/20/Tue.

先日、遅ればせながら "The Matrix Revolutions" と『座頭市』を DVD で観た。

"Revolutions" は期待が大きかっただけにハズレ感が否めない。前作 "Reloaded" ほどの派手さがない。三部作の最後なのに、ストーリーもイマイチ。こじつけたかのような最後の展開に、意味不明のラスト。この手の映画にストーリーを求めてはいないとはいえ……。

一方の『座頭市』が凄い。動きがメチャメチャ速い。"Revolutions" を観た直後なのに、「速ッ!」と驚いてしまった。時代劇の殺陣、あれは歌舞伎みたく一種の型なのだが、そんなものは完全無視で、ひたすら斬って斬って斬りまくる。そして実に嫌な感じで血が飛び散る。観ているだけで何だか痛くなる。

さらに凄いのが、座頭市とは何者なのかが、最後まで全然わからない。何であんなに強いのか。何で杖に刀を仕込んでいるのか。何で困っている人を助けるのか。さっぱり理解できない。

そもそも北野武監督が、海外で「座頭市って何者?」と聞かれて困ったらしい。

監督にして主演の北野武にもわからない。誰にもわからない。わかるのは「座頭市、最強」。これだけ。

2004/04/15/Thu.

T です。こんばんは。

なかなか毎日自炊というのは難しい。今のところは 2日に 1回くらいの割合か。「何が何でも毎日料理をする!」と決めてしまうと苦痛になるので、できる日はするという方針で、とにかく続けていこうとは考えている。

日記の更新も滞りがちだが、これも書ける日は書くということにして、ボチボチとでも続けていきたいものだ。バイクの話などで書きたいこともあるのだが、そのうち時間を見付けてアップしたいと思っている。

アップルレコード
ビートルズが設立したレコード会社。Macのアップルコンピュータ社ができたときには、商標で裁判になった。

ところで、年末に「ビートルズのページを作りたい」と書いたことがあるが、ちょっと調べてみたところ、歌詞を掲載するのは著作権侵害に相当することを知って愕然としている。俺が一番やりたかったのがオリジナル対訳の作製だったのだが、これを公開することは違法なのである。じゃあ、原詩は諦めて俺の訳詩だけにするか、と思ったのだが、実はそれもアウト。歌詞関係のコンテンツは全て御法度なのである。勿論、著作権者に諒承を取れば可能ではあるのだが、まあ、趣味でそこまでやる人間もいないわな。

まさか、アップルレコードが俺のサイトを見て裁判を起こすなんてことは考えられないが、違法と知りつつ実行するほど、不健全な精神は持ち合わせていないつもりだ。

世界で一番レコードを売ったミュージシャン
ビートルズの楽曲の大半はポールとジョンの合作。後期は合作も少なくなったが、いつも名義は「Lennon-McCartney」で発表されていた。つまりビートルズ時代の売り上げ数では、ポールとジョンは同じなのである。突然の暗殺もあり、現在ではジョンの方が有名な感もあるが、ビートルズ解散後、いかにポールの曲が売れていたのかを物語る逸話である。解散後のポールの活躍は、ベストアルバム「PAUL McCARTNEY all the best!」で端的に知ることができる。ポールの作とは知らずとも、聞いたことのある曲が必ずあるはず。

さて、そんなことで著作権関係のサイトをブラウズしていたら、面白い記事にブチ当たった。著作権の取得というのは結構なビジネスになるらしい。公演や放送があるたびにロイヤリティが入る。そのため欧米では、名曲の著作権は高額で売買されているという。

で、その音楽関係で最大の著作権保有者が、ビートルズのポール・マッカートニー。彼は世界で一番レコードを売ったミュージシャンでもあるのだが(この記録はギネスも認定している)、そのあり余った印税で、ロックを中心に、様々な楽曲の著作権を買い集めているという。そりゃあ美味しい商売だろう。自分は何をしなくとも、著作権を保有している曲がどこかで流されるたびに使用料が払われるのだから。そんなわけで、友人のマイケル・ジャクソンに「おい、著作権ビジネスはボロいぜ」と勧めたらしい。

マイケルもまた金持ちである。ポールに倣って、彼もせっせと著作権を買い集めた。その中で一番の買い物が、ポールの『Yesterday』。20世紀を代表するこの名曲、その作曲者ポールは、自分のステージで『Yesterday』を歌うたびに、マイケルにロイヤリティを払っているという。

何をしているのかポール。バカか。

2004/04/13/Tue.

T です。こんばんは。

久し振りの更新。今日の自炊日記。米飯 with イカナゴ。以上。

他の料理を作るのが面倒臭いとかいう以前に、このメニューで満足しきってしまっている自分がいる。そりゃあ、他にもあれば食うけど。別に自分で作ってまで、という気にはならないなあ。イカナゴ最高。

確かに質素過ぎるかなとは思うけれど、満足しているからそれで良し。足るを知る。昔の人は立派なことを言う。

気が付けば 4月が半分終わっているのはどういうことか。ビックリだよ。

2004/04/08/Thu.

入学式をまぶしそうに眺めた T です。こんばんは。

イカナゴのくぎ煮
瀬戸内地方の春の風物詩。体長 1〜2 cm ほどのイカナゴを甘辛く飴状に煮込んだもの。売っているものもあるが、各家庭が独自に煮付ける場合が多い。好きな者は、これだけで飯が何杯でも食えるという「クセになる」系の旨さが魅力。

今日の自炊日記。と言っても面倒臭いので、今晩は飯を炊き、それを実家から送られてきたイカナゴのくぎ煮とともにむさぼるだけの予定。

ところで、この文章は飯が炊き上がるまでの暇つぶしに書いているのだが、腹が減っているときの待ち時間というのは非常に苦痛なものだ。前回の日記で「一人暮らしの自炊のポイント」を四つ挙げたが、一つ重要なものを忘れていた。

これを追加したい。俺が料理をするとき、一番始めに米を洗って炊飯器にセットする。飯が炊き上がる前に、その他の調理を終えるのが理想だ。季節によって時間は異なるが、まあ40分前後だろうか。食うために料理をするのであって、料理をしたから食うのではない。凝った料理を作る気は毛頭ない。

さらに極端に言うならば、節約するために自炊をしているのであって、自炊をする以上に節約できるならば、別に料理を作りたいとも思わない。そんな方法があるのか。思い浮かぶのは、せいぜいヒモになることくらいか。現実味に欠けるな。

2004/04/06/Tue.

前からやろうやろうと思っていた自炊をついに始めた T です。こんばんは。

昨日今日と、立て続けに就職関連の用事があったのだが、終わるたびに財布の中身がゴッソリと減っている。大して使った記憶もないのに、いつも予想以上になくなっているのは何故か。就職活動で金をケチろうなどとは露思わぬが、かと言って、裏山に金の成る木が生えているわけでもない。

コンビニに頼り切りの一人暮らしの男が、一番最初に節約するべきは食費である。そこで自炊というわけだ。なに、バイクを買ったときなどは、ほぼ2年にわたって自炊を続けていたのだ。あの頃に比べて暇がなくなったとは言え、やってやれないことはないだろう。

そういうわけで、しばらく自炊日記にしようと思う。時間がない一人暮らしの自炊のメニューは、

  1. 一度に大量に作れること。
  2. 日持ちすること。
  3. 材料費が安いこと。
  4. 自分が好きなものであること。

このあたりがポイントになってくるのではないか。見落とされがちな (4) も結構大事な要素ではないかと俺は思う。いくら大量に作っても、喰うのが苦痛であれば意味がない。

俺の場合、この四つの条件を全て満たすのが、カレーやシチューといった汁物である。これが一番良い。次点で味噌汁と魚のコンボが入るが、コンロが一つしかない我が台所では、同時に作れないのが難点である。その次が鍋か。これも楽だが、暖かくなっていくこれからの季節に作る気はしないのが残念だ。

さて、そういうわけで今夜はシチューを作った。実家のシチューは大抵牛肉だったので、牛肉を買おうとしたのだが、スーバーにはバカ高い国産牛しかなかったので鶏肉にした。それもこれも狂牛病のせいだ。吉野家からは牛丼が消えるし、困ったものである。

とは言え、日本政府のアメリカ産牛肉禁輸措置は正しい行為である。米国政府に対する全頭検査の要請も当然。悪性プリオンは神経系にしか存在しないとか、牛肉食っても人間に感染する確率は恐ろしく低いであるとか、それはそうなのだが、「それでも牛肉食って感染したらどうなるのか?」と考えるのが政治家の頭。全頭検査の要請は国民を守るために「しなければならない」ことなのである。米国が応じるかどうかは問題でない。

ポーズと言えばポーズなのかもしれない。産業界からの突き上げもあるだろうし、日本政府も牛肉輸入を早く再開したいというのが実情だろう。それでも、国家が国民を守るというポーズすらしなくなったら、その国は早晩終焉を迎えるであろうというのは歴史の教えるところである。

ところで、一方の吉野家であるが、これも気骨が入っていたな。政府が禁輸措置をするということは、日本政府の見解として「牛肉を食うと狂牛病に感染する恐れがある」と声明を出したことと等しい。それを受けても、「在庫がある限り牛丼を提供する」という吉野家は、前時代なら国家反逆罪である。

しかし、これって吉野家も正しいんだよな。常識的な判断として、牛肉を食っても感染はしない。吉野家も客もそう思っていて、その上で客は吉野家に牛丼を求めているのだから、これは成立する。資本主義として健康的なのじゃないかな。実は、吉野家が牛丼を出し続けると表明したときに、俺は日本政府が何らかの警告を出すのではないかと思っていたのだが、どうも何も出なかったようだ。これも良かった。

禁輸措置はしているけれど、我々だって必ず感染するとは言っていない、吉野家なら調理も品質管理もまあ大丈夫だろう、それくらいで一企業にゴタゴタ文句は言わねえよ、という感じだろうか。これも健全な態度だと思う。最近の時事問題の中では、なかなか筋の通った展開だったので、長くなったが書いてみた。

いつの間にか、自炊から相当話が逸れてしまった。いつも通りか。それに、明日は今日のシチューを食うから自炊もしないだろうし。ま、しばらく続けてみよう。

2004/04/02/Fri.

昨日の倍数体のヘビに続き、あろうことか今日もヘビの夢を見てしまった T です。こんばんは。

プラナリア
体長 2〜3 cm の淡水性扁形動物。細切れに刻んでも、それぞれの断片から全体が再生されるという驚異の能力を持つ。そのために再生研究のモデル生物として有名。

今朝の夢は実家が舞台である。久し振りに家族全員が揃って団欒しているのだが、いやに部屋の中が湿っぽい。いや、雰囲気ではなく、物理的に空気が湿っているのだ。梅雨の時分を想像して頂きたい。

さて、家族全員が居間でテレビを見ていたのだが、俺はトイレに行きたくなって席を立った。ところが、扉の方へ歩いて行く途中で、ヌルッとしたものを蹴ってしまったので目をやると、何とヘビではないか。しかも昨夜の倍数体どころではない。全長 20 cm ほどのプラナリアのような形態をしている奇形である。「うおっ!」と俺は驚いて、家族の注意を集めようとしたのだが、何故か皆、知らんぷりである。否、一度ちらっとヘビに目をやって、その上で「何を大騒ぎするほどのことがあるのか」という感じで、全く取り合ってくれないのである。

おいおい、どうしてそんなに冷静なんだ。部屋の中にヘビだぜ。しかも奇形。いくら俺が「ヘビやで、ヘビ」と説明しても、家族は関心を寄せない。どうなっているのか。仕方がない。俺は火ばさみを取って来て、居間のヘビをつまんで庭に捨てようとテラスに出た。ところがである。テラスにも、同じ奇形のヘビが群を成してウヨウヨしているではないか。

「テラスにもヘビが……」と、家人に報せようと振り返った俺は絶句した。いつのまにか炬燵の上にはコンロとフライパンが用意されており、その上でヘビがジュージューと焼かれているではないか!

「気でも触れたのか、アンタら!」というところで目が覚めた。恐ろしいことである。

それにしても今日の夢は何なのだ。昨日の夢はまだいい。一応、今の俺の一番の懸念であるところの就職活動が題材だ。ところが今日の夢と来たら……。しかも何故、ヘビが共通して出てくるのだ?

2004/04/01/Thu.

やたらと就職活動の夢を見る T です。こんばんは。

今朝の夢。とある研究所に面接を受けに来た俺。見渡す限りの田畑のド真ん中に、その研究所はある。訪れた俺を出迎えたのは、白衣を着た女医っぽい研究室長。「うちではヘビの研究をしています」。そう言うと、彼女は両手を真っすぐに俺の方へと突き出した。右手に握られていたのは普通の大きさのヘビ。しかし左手に握られていたのは、太さ長さともにその 3倍はあろうかという、巨大化したヘビだったのだ。

倍数体
通常の数倍のゲノムを持つ個体。倍数に応じて 2倍体、3倍体などと言う。ムギなど植物で盛んに研究が行われている。倍数によっては不稔となり、子孫が作れないこともある。後半の俺の質問は、これが理由。

「こちらがヘビの倍数体です」

マジかよ。ヘビの倍数体なんか聞いたことねえぞ。っていうか、何でヘビ? と、軽く引いていたら、倍数体のヘビがボトッと床に落ちた。アッと思うヒマもなく、倍数体は「シャアーッ!」と奇声を発しながら俺に向かってきた。

「うわっ」と驚いて飛び退くが、更にヘビは追いかけてくる。冗談じゃない。俺は必死になって駆け出した。ところが倍数体は、とんでもないスピードで追いかけてくる。汗だくになって研究所内を逃げ回る俺。それを追尾するヘビ。そして「待って!」と叫びながらヘビを追いかける女医。三者が一列になって所内を駆ける。

いつまでたってもヘビが追いかけるのをやめないので、ついに俺は研究所の外へと飛び出した。畑の中をまろびつつ走り続ける。靴が土にめり込んで走りにくい。ヘビはまだ追いかけてくる。こりゃあ外へ出たのは失敗だったか、と後悔しながらも、とにかく逃げ続けるしかしょうがない。

それと同時に、俺は「面接に来たのだから何か質問をせねば」などと妙な義務感にもさいなまれる。そうなのだ。俺は就職活動中なのだ。何か、何か質問しないと。俺は、息も切れ切れになりながら、いまだ後方でヘビを追いかけ続けていた女医に向かって叫んだ。

俺「こ、この、この倍数体は、ふ、普通のヘビと、こ、交配は、でき、できるのですかッ!!」
「できますよーッ!!」

俺の質問に叫び返してくれる女医。何だこのシチュエーションは。と思ったところで目が覚めた。まだ朝の 6時じゃねえか。クソが。もう就職活動の夢を見るのは飽き飽きだ。