- ピンク・レディー

2004/02/26/Thu.ピンク・レディー

「今の日本のポップスなんてクソ」と断言してはばからない T です。こんばんは。

洋楽一本槍の俺だが、決して日本の歌をバカにしているわけではない。とりわけ俺が生まれる以前の、そう、ポップスが「歌謡曲」と呼ばれていた頃の歌には、数多くの名曲があると思っている。

無性に歌謡曲が聴きたくなって、ピンクレディーのベスト盤を借りてきた。素晴らしい。今聞いても、とてつもなくポップでモダンだと思う。全然古くなっていないのには驚いた。むしろ、現在の日本で売り出したら、当時ほどの爆発的なヒットにはならないのではないかと思うほど新しい。

これは何も流行が変わったとか、そういう意味ではない。果たして今の流行の潮流には、ピンクレディーを認めることのできる余裕があるのかな、という危惧である。今のヒットチャートをにぎわしているのはラブ・ソングばかりじゃないか。歌い手の歌唱力の低下は、一部を除いて目を覆うばかり。編集の技術は格段に進歩しているはずなのにこれだから、もう言葉もない。

やっぱり昭和というのは凄い時代だったのだなと思わされる。ミュージック・シーンばかりではない。映像を見渡してみろ。リメイク、リバイバルばかりじゃないか。ビートたけしの「座頭市」にしろ、TV ドラマの「白い巨塔」にしろ、一体いつの作品なんだ。反対に、平成になってから、次の世代にも語り継がれそうなものができたか。はなはだ疑問である。

少し話は変わるが、「白い巨塔」のリメイクに関して、本当に問題にしなければならないことがある。あのな、これは医学部、病院の腐敗を告発して話題になった作品だろ? その題材が、今でも通用するというのが一番の問題じゃないのか。何も変わっていないということだろ? どうしてリメイクが歓迎されるんだ? まず嘆くのが、普通の感覚じゃないのかと思うのだが。