- 風薊

2003/08/28/Thu.風薊

少年時代、夏が過ぎると寂しくなったもんだ。心が夏模様ってやつである。夏生まれのせいか、暑いのはそれほど苦ではなく、家の庭に植えられた薊(あざみ)を見ながら花火を打ち上げていたことを思い出す。

夏祭りでくたくたになり、家に帰るなり寝てしまうのだが、暑さで夢が覚め、廊下に映る長い影を夜目に見ながら、ああ、もう夏が終わるなあと星屑の空へ想いを馳せる。俺の想いは誰のたそがれにさまよっていたんだろうか。想いに胸は高まるが、それも青空に残されて、結局は一つの夏模様。

嘘です、ごめんなさい。