- Diary 2003/05

2003/05/28/Wed.

しばらく更新を休みます。

2003/05/27/Tue.

朝イチでトランスフォーメーション。一通り雑用をこなした後、車検が終わった愛車を引き取りに行く。マシンはバイク屋にあり、それに乗って帰らなければならないため、下宿からヘルメットその他をぶら下げてバイク屋まで歩いていく。暑い。

愛車は完璧に整備された状態で戻ってきた。細部までピカピカ。ワックスが違う。ニーグリップしたらツルツルで太股がタンクの上を滑ってしまった。クラッチを握ると若干軽くなっている。こんな細かいところまで、と感心。下宿まで乗って帰り、子細に観察したが、驚くほど手が行き届いている。さすがプロ。俺もいつかは自分の仕事で人を感動させることのできる人間になりたいものだ。

セミナー後、形質転換したプレートを見て驚く。生えているコロニーの数が以前と 2桁は違う。同じ条件なのに。これが生命のダイナミズムか。

2003/05/26/Mon.

雨の月曜でラボには人が少ない。何やら風邪が流行っている様子。感染源が俺だったら申し訳ない。

さて、いまだに病院で処方してもらった薬を飲み続けているのだが、弱ったことに眠くなる。それは良いのだが、やたらと屁が出るようにもなった。気を抜くとブッ、とやらかしている。困ったもんだ。

屁で思い出したが、解剖学の教科書には「肛門」という単語がないそうだ。解剖学というのは身体の部品を細かく分解していき、それらに名前を付けていく学問である(らしい)のだが、つまりは身体のどこを探しても「肛門」はないわけである。肛門筋に囲まれた空間があり、そこを「肛門」と呼んでいるわけだが、物質としての「肛門」はないのである。ものがないのだから名前も付かない。

こうなると、まことに肛門というものが頼りなく思える。肛門筋はどこにいっても肛門筋だが、肛門はそうではない。周囲の環境が変化すると、肛門の空間を占めるものもまた変わっていく。風呂に入れば風呂の湯が流入しているかもしれず、便通時にはその空間を糞が占める。あるときは拡がり、あるときはすぼまり、またあるときは座薬が埋まっているかもしれぬ。

まるで都合の良いときだけ「もう社会人と同じなんだから」と言われ、都合の悪いときは「まだ学生のくせに」と言われる大学院生のようである。無理矢理まとめてみた。

何だか肛門に親しみが持てた。

2003/05/25/Sun.

そういえば書き忘れていたが、病院に居座る爺婆、健康なら病院に来るなと俺は思うのだが、実情はどうも違うらしい。というのも、彼等が話しているのを小耳に挟んだのだが、

「いやあ、今日も病院に来とるおかげで元気じゃわ」

などとぬかしているのである。そう、俺やサラリーマンなんかは「病気になったから病院に行く」のであるが、爺婆は「病気にならないために病院に行く」のである。ここまで考え方が違うと、いくら俺が吠えたところでどうにもならないような気がする。そのうち奴ら、寝たきりにならないために入院しに来るんじゃないだろうな。

2003/05/24/Sat.

ようやく治ったっぽいので、午後からラボに行ってみる。PCR しただけで帰ったが。

火曜に病院に行ったことまでは書いたが、この後も夜になると吐いてばっかりで一向に回復しない。というか、食ったもんや薬を全部吐いているから治らないわけだが。木曜、再び病院に行き、そのことを訴えると、薬を速溶性(こんな日本語があるのか)のものに切り替えてくれた。おかげで徐々に症状は緩和されていった。やはり薬の力というものは偉大である。

ちなみに、火曜日に貰った薬は 1日 2回の服用だったのだが、勘違いして 1日 3回飲んでいたことは秘密だ。

2003/05/20/Tue.

男の一人暮らし、風邪になると辛いもんです。

完治していたと思い込んでいた風邪だったが、とんでもないことになった。月曜の朝に 37℃超を記録し、一日布団の中で寝ていたのだが、夜になっても身体が尋常ではなく熱いので、再び体温を計測してみると 39℃をマーク。布団は汗で濡れそぼっており、仕方がないので毛布に包まって床に転がるが、すぐに濡れて使えなくなる。Tシャツ絞ったら汗が滴り落ちた、なんてのは高校の部活以来だ。

とりあえず座椅子にもたれていると、ただそれだけで額から汗がボタボタと落ちてくる。咳き込んで横隔膜がイカれて吐き気がするも、丸1日半、何も口にしていないので吐くものもない。しかしながら我慢できずに大量の胃液を吐く。苦しさのあまり涙が出る。

何か飲み物でも、と思って冷蔵庫を空けても何もない。どうして飲料を消費し切ってしまった頃に、こういう惨状に見舞われるのだ。一人暮らしの病人はこれが辛い。掃除・洗濯・食事・買い出し等を病体に鞭打ってこなさなければならない。ふらふらになりながらコンビニへ。

今朝も 38℃台。あんまりなので病院へ行く。本当は病院が嫌いなのだが。それは何故か。

平時の俺より元気なジジイ、ババア、病院から失せろ。寄り合うな!

仕事のある社会人や、金がない学生が病院へ行くってのはよっぽどの症状やねん! 100歳まで生きそうな面して楽しそうに仲良く集うな、ボケ。気が遠くなるほど待たされてようやく診察へ。一通り診てもらい、薬を出してもらう。やはり一人暮らしは生活が終わっているということを医者先生も心得ているようで「御飯食べてる?」「理系かあ、実験のこと忘れて休んだ方がいいよ」と親切に対応してくれたのが嬉しい。

「目茶苦茶に効く注射をするから、効いてる間に買い出しとか洗濯をやりなさい」と言って注射を打ってもらう。何だ、その「目茶苦茶に効く注射」ってのは。ヤバいんじゃないのか。と思いながら投与される。車に轢かれそうになりながら下宿へと戻る。

1時間ほど眠ると妙に身体がすっきりとしている。熱を計ると 36℃台。下がり過ぎやろ。大丈夫なのか。本当に大丈夫なのか、あの注射。副作用とかないんだろうな。とにかく熱が下がっているうちに洗濯機を回し、その間に買い出し。今ようやく洗濯物を干して一息ついた。まだ熱が下がったままのようなので、こうして更新している。一人暮らしの病人は、他人と接しなくなるから寂しくなるってのも辛いところだ。

それにしても、風邪そのものより、注射の方が心配なんだが。どうせ夜になったら熱が上がるんだろうが、その前に洗い物でもしておくか。

2003/05/17/Sat.

「店員に可愛い子がいるから」という理由だけで、ヒゲマン氏と一緒にマクドへ昼飯を食いに行く。初めてヒゲマン氏の車に乗せてもらったのだが、駐車場に停車する際、

俺「あそこ空いてますよ」
ヒ「よし、そこに入れよう。(ハンドルを切りつつ隣の車を見て)幅、大丈夫かな」

ゴリッ

見事にバンパーを隣の車にこすりつけるヒゲマン氏。ちゃんと見ろよ。

ヒ「やべっ、逃げよう」

別の駐車スペースを見付けて停車。無事にマクドにたどり着く。2人で食っていると、付近をうろついていた餓鬼が不信そうな目で我々を見る。確かに俺達は怪しい 2人組(ヒゲマン氏: 金髪 + 色眼鏡 + 黒シャツ + 白ジャケット、俺: 坊主 + ヒゲ + 黒シャツ + 紺ジャケット)だ。そんな 2人が昼間からダルそうにマクドなんか食っているのは変な光景だろう。

午後、原付盗難事件が 7ヶ月目にして一件落着。これについては、機会があれば御紹介しよう。

2003/05/16/Fri.

最近へたれてばかりの俺。風邪が完治していないのか、夜が来ると鼻水ばかり垂らしている。今日もプレートに思いきりくしゃみをしそうになって困った。

昨夜もまた就職の夢を見た。試験会場で一生懸命マークシートを塗りつぶしているのだが、塗っても塗っても答案用紙に終わりが来ない。焦って冷や汗ばかりが出る。目が覚めると服がびっしょり濡れていた。これじゃあ風邪も治らんわな。就職に関する夢は寝覚めの悪いものばかりで困る。

平成17年春に卒業する者の就職活動が平成15年の秋口から始まるという異常な我が国では、俺もそろそろ職に関する情報を漁らなければならない時期を迎えている。で、暇があればネットであれこれ調べているのだが、一番最初に悟ったことを御紹介しよう。

生物を学んでも潰しがきかない。

万が一ここを読んでいる高校生がいれば声を大にして言いたい。バイオだゲノムだと躍らされるな。普通に就職しようと思ったのなら生物には来るなよ。修士に行ったのは正解だった。マジで学部卒の生物なんて採用するとこねえぞ。

2003/05/15/Thu.

ついにバイクを車検に出した。朝イチでバイク屋に行こうと思ったのだが、愛車のエンジンをかけようとしてもバッテリがジジジと鳴るばかりでウンともスンともいわん。色々と手を尽くしたが駄目で、結局バイク屋に電話して引き取りに来てもらう。バッテリ交換だと。バッテリの寿命は 2年というから、天命だったんだろうなあ、と諦める。

引き取りのトラックに乗せてもらって一緒にバイク屋へ。任意保険と盗難保険の更新。3年目で保険料も大分引き下がった。さて、いよいよ注目の車検料なのだが、修理する所がなくて 6万数千円とのこと。予想の範囲内だったが、伏兵はバッテリ。車乗りの皆さん、知ってましたか。

バイクのバッテリーは 1万数千円円もするという事実を。

聞いてビビった。車のバッテリなんてどれも 3千円とかだろうが。バイクのバッテリは需要が少ない上に、マシンごとに特化されているため高いんやって。とほほ。維持費とは言え、これは辛い。バイク関係では結局、

を、この 1週間前後で支払う(支払った)こととなる。貯金が空っぽ。さすがに任意保険だけは月払いにしているが。好きなことだから何とも思わず払えるけれど、学生にとって大きな金額であることには違いない。また頑張って貯金するか。

2003/05/14/Wed.

「枕草子」を書いたのは清(きよし)という少納言らしい。

2003/05/13/Tue.

ようやく風邪から回復した。更新が滞って申し訳ない。療養中、三人の方が御見舞に来て下さった。どうもありがとう。

熱に浮かされながら見た夢を二つ。

一つ目。吉本興業の芸人が賃金闘争を行うため、広い会議室で会合している。俺は芸人ではないので、会議には参加せずに、ひたすらベニヤ板から飛び出した釘を金槌で叩いている。しかし中々入らないので苛々する。会議では、月亭八方が一人で自分の自慢話をしている。俺は腹が立ってきて目が覚めた。

二つ目。B氏と、一般教養棟と野球部のグラウンドの間の道を南から北へと歩いている。

B「最近ストレスが溜まりっぱなしなんよ。ええ発散の仕方ない?」
俺「カラオケでも行きますか」
B「ああ、やっぱ大声出すのはストレス解消になるよね」
俺「大声出しましょう」

言うなり、俺は弓のように背を反らして胸いっぱいに空気を吸い込み、「XXXのアホオオオオオオ〜〜〜〜!!」と力の限り叫んだ。XXX が誰かは、とても俺の口からは言えない。

2003/05/07/Wed.

今日の実験日記。プレプ 24本してポジティブがたったの 2本。残りは縮んでいた。N.N.嬢もそうらしい。まったくどうなっているのか。先日は pBluescript の Xho I サイトが消失し、今日は制限酵素で切断すると意味不明の大きさのバンドが出た。

明日から K先生の講義。某ノーベル賞受賞者の伝記を読むらしい。K先生は偉人が大好きなのだ。どうでもよいが、天才の伝記って読んでて面白いけど参考にはならんのよね。ニュートンが樹から林檎が落ちるのを見て万有引力を発見した、と言われても「ふーん」てなもんで、真似しようと思ってもできるわけがない。

もっと普通に市井で頑張っている人間の伝記が出版されんかね。

『経理課長・小野哲二の生涯』『川口京子 2人の子供を育てた主婦』

とか。誰が書くのかという話だが。面白くはないかもしれないが、共感はできると思うんだがなあ。

2003/05/06/Tue.

ここ 1ヶ月ほど、散発的に将来の夢を見る。大抵は見知らぬ会社で働いていたり、通勤電車の中だったりするのだが、気になることに博士課程進学の夢が二つばかりある。

一つは博士課程の入試を受けている夢。でかい教室に 100人ばかりの人間がいる。答案用紙が配られており、あとは開始の合図を待つばかりだ。試験開始。問題用紙をめくり、最初の問題を読むと「下の遺伝子の中から unc-15 のホモログを選べ」とある。その文の下に数個の遺伝子名が書いてあるのだが、どれがホモログなのか全然わからない。焦っていると「試験終了」の声。いかん。このままでは博士課程に進学できん! というところで目が覚めた。

もう一つは K先生に小言を言われている夢。K先生の部屋に呼び出され、延々とお叱りの言葉を受けている俺。いい加減ダルくなってきたところで「本当にアンタは D1(博士課程 1年)にもなって」と言われた。え? 俺って D1 だったっけ? というところで目が覚めた。

ヒゲマン氏に話すと「それはドクターに残りたいという T君の潜在願望の現れだよ」と分析された。勘弁して下さい。

2003/05/05/Mon.

午後に下宿に戻ってきた。実家では寝てばかり。バイクで帰省していたのだが、往路も復路も、この上もない好天に恵まれ、心地よいツーリングを堪能できた。帰路にスピード違反で捕まってしまったが。

夜、悪魔の囁きに負け、FFX-2 を購入。起きられるのか、俺。

2003/05/02/Fri.

今日のラボは平和。書く人がいるのかと心配していたプログレスレポートも割と盛況(俺と同じように考えた人が多かったのか)で、何だかK先生も御機嫌。

午後には A氏が論文を投稿されたという明るい話題も。おめでとうございます。

現在 18時。これから義兄弟達と酒を酌み交わし、明日から帰省する。2、3日更新できません。悪しからず。

2003/05/01/Thu.

今日の実験日記。コロニーが生えてきたのは良いのだが。ライゲーションはよくわからん。

昨日の話で恐縮だが、新しく買った麻のジャケットを着て行ったところ、ばったり会った某友人に「どっかの組の若い衆」と言われた。また、普通に学部内を歩いているだけで、見知らぬ学生(恐らく新入生)に軽く頭を下げられること数度。お前ら、何か思い違いをしてるやろ?

最近、自分の外見に疑問を覚えることばかり。自信が持てない。