- タイの想い出 (11)

2003/02/06/Thu.タイの想い出 (11)

卒論締め切りまで後 1週間。かなり卒論執筆に飽きてきたが、とにかく一度書き上げてしまわねば話にならん。残るは考察とフィギュアのみ。土日にはメドをつけたいのだが、どうなることやら。

そんなこんなで楽しく過ごしたキャンプも、ついに閉会を迎えた。閉会式は例のごとくアリーナに3万人が集い、歌えや踊れの大騒ぎ。ビーチで何のために待機していたのかわからなかった軍艦が花火を打ちまくり、まことにお祭りの最後を締めくくるにふさわしい盛大な閉会式だった。

次の日、午前 5時に起床して撤営開始。深夜には飛行機に乗り、日本へと帰るのだ。皆疲れているのに、やたらとテキパキしているのが気になったが、何のことはない、さっさと片づけを済まし、愛しいあの子に別れを告げる時間が欲しかったのだ。俺も仲良くなった何人かと最後の写真を撮ったり撮られたりして、あっという間に時間は過ぎ、バンコク行きへのバスに乗り込んだ。帰りたくねえ、と全員がこぼす。しかし、今日から公立の学校は始まっているのだ。そろそろ日常へと戻らなければならぬ。それが一層悲しさに拍車をかける。

次回の世界ジャンボリーは 4年後、イングランドである。2007年はボーイスカウト運動 100周年だとかで、ボーイスカウト発祥の地、イングランドで開催というわけだ。俺はもう行くこともないだろうが、俺が引率していった子供達の中で、次回、俺と同じ立場に入れ替わって行く人間がいるかもしれない。

途中でレストランに立ち寄り、中華料理の昼食。狂喜乱舞だ。

「で、出てきた。自分で料理しなくても飯が出てきた」
「う〜、うますぎる」
「こういうのこそ食事というんやなあ」
「人間だ。俺達人間だったんだ」

まったく、今までどんな生活をしていたのか。次回、ついに最終回。(つづく)