- 笑点

2002/11/01/Fri.笑点

ようやく学会も終わり、俺は家でくつろいでいた。目の前のテレビは笑点をやっている。普段は客席の中で「今日はどこそこからお送りしています」と言うのは円楽の役目だが、今日はなぜかカツラをかぶった歌丸が任に当たっている。そのうちに大喜利が始まる。いつ見てもくだらねえ。だが、俺は学会が終わった気安さからクスクスと笑ってしまう。のどかな夕刻が過ぎていく。と、俺の携帯が鳴った。誰からと見る間もなく、俺は通話ボタンを押していた。

「もしもし、もしもし」

だが相手は返事をしない。しかもコール音は鳴りっぱなしだ。おかしい。通話状態のはずなのに。そのうち俺は、自分が布団の中にいることに気づいた。あれ? 座って笑点を見ていたはずだが? だが、テレビを見ると画面は消えている。

ここまできてようやく合点がいった。夢、だったのだ、と。つーか、まだ学会終わってへんし。ああ、それにしても夢に見る俺の幸せってのが、ただのんびりと笑点を見ること、とはなあ。哀しいぜ。