追試の結果はこんな感じ。研究しているタンパク質をブロットしたメンブレンを抗体で検出すると……、
M WTm1m2 1 2 3 4 5 6
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同様のメンブレンに相手方をオーバーレイさせ、相手方の抗体で検出すると……、
M WTm1m2 1 2 3 4 5 6
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という写真。まだバックが高いけど。
ウェスタンの夜は長い。今日は 18時なんぞに来たもんだから、結果が出るのが午前 6時(予定)なので、日記更新のタイミングが図り辛い。
さて、予定通り(前文から 3時間経過)の午前6時、写真を撮ろうと思ったが、いつもの場所にフィルムがない! え? もうないの? メンブレンを納めたカセットを片手にうろたえる俺。当然だ。このままだと 12時間の労働が水泡に帰す。が、すぐにある可能性に思い至る。前回の写真撮影の時、そのまま暗室にフィルムを置きっぱなしにしてたのでは……? すぐに隣の暗室に駆け込む。あったぜ。って、喜んでる場合じゃないですな。危うくフィルム 1箱を無駄にしかねないミスだ。すみません。気を付けます。結果は明日の日記で。
今日は院試なので受付 1時間前に来る。腹が減ったのでコンビニへ買い出し。パンを持ってレジに並ぶも、財布の中に 48円しかないことが判明。慌てて列を離脱、潔く帰る。午前の英語は T シャツ、ジーンズ、サンダルという姿で受けたのだが、さすがに午後の面接はヤバイだろうと思ってK先生に聞くと「ス〜〜〜〜ツとまではいかなくとも、見苦しくない格好でね」と言われたので、スーツにすることにする。一度家に帰って着替えるが、ここで重要なことが判明。俺、ネクタイの結び方を忘れてる。研究室に戻り、ネットで「ネクタイの結び方」を検索。800件ものヒット。そのうちの一つを参考に、何故か N.N.嬢が結んでくれた。感謝。
さて、馬子にも衣装で面接の控え室に。おっと、その前に R女史が「口が緊張で渇いてしまわないように」とキャンディをくれたのだった。感謝。で、面接の順番を待っているのだが、結構時間がかかるので自販機のコーヒーを飲みつつ煙草を一服。おっと、灰が落ちちまったぜ。と灰を払っているうちに、もう片方の手で持っていたコーヒーをネクタイにダバダバ。はは。何とか誤魔化して、いざ面接へ。ああ思い出したくないなあ。あんまりうまく答えられませんでしたとさ。
今日は朝からオーバーレイしようと思って早起きまでしたが、どう計算しても実験終わるのが午前様。明日の試験への影響が怖いという理屈を付けて休む。
院試に備えて朝型生活に。6時起き 7時出勤。やっぱり誰もいないなあ。ところが昼近くになってもどの研究室もひっそり。っていうか土曜やんけ、今日。8月の土曜を朝っぱらから大腸菌と過ごしてたんかいな、俺は。青春だなあ。
さて、オーバーレイだが、写真が汚いのはバックが高いせい。そのためにはぶっかける相手方のタンパク質量を少なくすればよいのだが、それでは反応するかどうか不安。それを解消するためには、下地のタンパク質を増やせばよい。というわけで、今日は大腸菌を希釈培養。せっかく 7時に来たのに、結局パゲするのは昼から。でもタンパクのサンプルもうまくできたし、いい予感はする。
ところでソニケーション、あれが面倒なのは 1分おきに冷やしたりするから(それを 5回)なのだが、でもそのあとで 99℃でボイルするんだよなあ。なんか冷やす意味あるわけ? 99℃から見たら室温も氷も変わらへんやろ? 今度冷やさずに 5分間連続ソニケーションしてみよっかなあ。多分大丈夫と思う。ま、今日は大事な追試だからしなかったけど。ちょっと余分に実験すればね(copy right K先生)。やったらレポートします。
そういや、メンブレンを切ってるときにメスが指に刺さり出血。Y氏に絆創膏を頂いて事なきを得る。ありがとうございました。今日のメスはやたら鋭い。
今日は 17時に帰れる。幸せ。でもちゃんと 10時間は実験したぞ。
また夜に大腸菌を培養しにくる。B氏にもオーバーレイの写真を見てもらったが、まあ俺の勘違いではないようなので一安心。
昨日、今日とバイトや雑用に追われて実験が出来ぬ。早く改良版プロトコルで追試がしたいのに。おおかた済ましたし、ついにバイトの退職届けも書きました。これで 9月後半からは実験三昧だぞ。忙しいとよく言っているが実験は嫌いじゃないのですよ。雑用で実験を中断しなければならないことに腹が立つ。
オーバーレイ出た!! やったぜ、ついに出ました、結果が。この結果は違うぜ。今までのベクターできました、とかは別に新たな知見ではないが、今回のは、世界で最初に俺が発見したのだあ!! 文句あるかこの野郎。時に午前 2時半。
ちょっとはしゃぎすぎたな。ま、別に対した結果ではないといえばそうなのだ。が、この喜びは俺にしかわかるまい。いいのさ、それで。今日は休むぞ。
オーバーレイの写真はちょっと汚い。だが、それもすぐに直るさ。直すべきところは大体つかんだ。タンパク実験、徐々に改善してきた甲斐があったなあ。涙。
ウェスタンの夜は長い。しかも今日はオーバーレイもやっているので、相手方のタンパク質の希釈培養 2時間 + IPTG 培養 3時間+サンプル調製もろもろ 1時間 + オーバーレイ 2時間 + 追加のウォッシュ&ブロッキング 1時間で、これだけで 9時間やがな。そっから 1次抗体 1時間 + 2次抗体 1時間 + ウォッシュ 2回分で 1時間 + そのあいだのタイムロス&写真現像なんかで 1時間で、さらに 4時間。そういや線虫集会前はパゲから 1日でやってたな。あれはサンプル調製もろもろ 1時間 + パゲ 1時間 + ブロッティング 2時間が余分にいる。まあ、結果が出なかったが。ゲル板なんぞを前日から立てて手際よく行けば 16時間くらいでできることがわかっただけでも儲けもの。そう思わなやっとられるか!
そういや、この前 Dr. T が「タンパクって大変やわ。ええなあ。転写因子楽しそう」と発言、その後ろで A氏が我が意を得たりって感じで密かに笑っていたのが印象的。みんなタンパク嫌いだね。俺はそうでもないが。だって結構空き時間あるし(だからこんなに長い日記も書くわけだが)働いた気分になるし、ソニケーションさえなけりゃあね。まあ気分だけではダメですが。
今日の実験は最初から危うい。まず生物物理学会の発表の要旨を送ろうとしたのだが、どうにもうまくいかず、結局 2時間もとられた。さらに、IPTG を入れようとしたがストックの場所が分からず、コーヒーブレイク中の A氏の手を煩わせてしまった。どうもすみません。多謝。
本実験でもメンブレンを落とし、タンパクの乗ってる面が机と密着。タンパクは無事なのか? 不安を残しつつオーバーレイ。0時を過ぎたので明日の日記へと続く。
バイト終わりにオーバーレイ用の大腸菌を培養しにくる。バイトやめてえ。
タンパクの実験で何が嫌かといってソニケーションほど面倒臭いものはない。幸い、俺が研究しているタンパク質はソニケーションなしでも泳動すれば充分見えるのだが、そうすると今度はサンプル粘度がやけに高くて異常にアプライしにくい。今日は大腸菌の量が多かったのか、ソニケーションしながらアプライしなければならないほど(その前にちゃんとソニケーションもしたが)だった。でろでろ〜ん。
ようやくバイトから解放されて実験復帰。2週間のブランクでピペットマンの操作も怪しい。今日は大腸菌などを下準備。また明日からタンパクな日々が始まる。
起きたら午前 9時半。やば、完全に遅刻や。いや、早く用意してチェックアウトしなければ、午前 10時を過ぎると追加料金を払わなければならない。逃げるようにチェックアウト、追っ手を引き離すように地下鉄に飛び乗……ろうとしたが、また名古屋駅で迷う。デカすぎやねん!
そんなこんなで 1時間ほど遅れて会場に。B氏とチェックしていた P.S.J.氏の発表が聞けなかったのが心残り。だが仕方がない。睡眠充分なので、残りの発表を気合いを入れて聞く。が、午前の発表が終わるとA氏がK先生他 1名に拉致られる。A氏は無事戻ってきたが、K先生はと尋ねると「もう帰られた」とのこと。なんだそれは。
そういや、午前と午後のセッションの間にミーティングがあったのだが、その結果、次回の線虫集会はアジア集会となり、発表は英語らしい。うぎゃあ。
そうこうするうちに午後のセッションも終わり、後は帰るだけ。新幹線に乗り、実家の駅で降りる。結局ここでも 1日を用事でつぶしただけで、発表が終わった俺は、全国の人がお盆を快適に過ごせるようにと、バイトお盆戦線へとトンボ帰りで復帰するのだが、それはまた別の物語である……。っていうか、夏休みはいつ訪れるのだろうか?
おお、ついに発表の朝が来た。空飛ぶ鳥よ、おはよう、俺は今日発表だ。町行く人よ、おはよう、俺は今日本番だ。ベッドのダニよ、おはよう、俺(以下略)
とりあえずヒゲでも剃るか。持参したヒゲ剃りは刃を新しいものに替えてある。これできれいに……痛っ! ごっつい切れるし!
そんなことをしつつ、下顎部から血をだらだら流しながら満員地下鉄にゆられ、一路会場を目指す。それにしても名古屋駅はでかいな。軽く迷う。
さて、午前のセッションが終わり、K先生にとともに飯を食った後、I先生の研究室を伺う。I先生は夢で出てきた立花隆が眼鏡をかけたような顔ではなかったが、面白い方であった。研究しているタンパク質に関する興味深い話を聞かせていただく。生物物理学会にも出席されるとの由、楽しみですな。
午後のセッションが始まる。今日の午後は B氏の発表があり、その後のセッションで K先生と俺の発表もあるのだ。B氏の属するセッション中、俺は原稿等の最終チェックに忙しく、ろくろく発表も聞いていなかったのだが、その中で一つ、結局最後まで聞いてしまったという発表があった。別に特別な興味があったわけではない。ただ、その人のパワーポイントは、スライドが変わるたびにピュンピュンと画面の中を何かが走るので、それが視界に入り、気になって目をやってしまうのだ。くそ。してやられたか。その人の次の発表が B氏なのだが、発表は「イントロンがでかい」というフランクな言葉とともに終了し、いよいよ俺が発表するセッションに突入する。
俺の一つ前が K先生で、それが終わった後、壇上にあがる。すると、K先生がつけていたマイク(本体はポケットに入れて集音機のとこだけ襟とかにとめるやつ)を俺の襟に親切にも手ずからつけてくれようとしてくださるのだが、なんかごっついもたついて、恐縮も手伝い、俺は「いいです、自分でつけます」と言おうとしたのだが、なんせマイクがオンになりっぱなしなので、それもあたわず。
ようやくマイクを付け終わり、パワーポイントを開いてポインターを手に取り、いざ発表!とスクリーンを見ると、でかすぎるがな! どれくらいでかいかと言うと、ポインターの位置がとっさにはわからん、というくらいだ。客席から見ているのとでは全然違うのだ。とまあ、そんなびっくりも話し出したら気にならなく、致命的なミスはとりあえずないような感じで発表を終えた。ここからが恐怖の質問タイムである。
最初の質問は「m1 の変異は筋収縮に関係していると言ったが、m1 の子孫に筋収縮が損なわれたという意味で Unc の表現型がでなかったか?」という意味の質問であったことは俺はきちんと正確に理解把握していたことを神に誓ってもよいが、緊張と焦りで「テーブルに示した通りの表現型の分離比でした」と、恥ずかしいまでの官僚的棒読み答弁しかできなかったのが悔やまれる。ああ。
で、次の質問が今度は何言ってんのか全然わからん。見かねたK先生が助け船を出してくれたが、まあええわ、学部 4年生やし。
俺の次は K先生、再び。これで 2日目も終わり。それからポスターをちらちら見ながら時間をつぶすと懇親会の始まりだ。だが俺には親を懇する人もなく、ただ飲み食いして帰る。ホテルに戻るが、昨夜は変な時間に寝起きしたので、今日はひたすら眠い。時に午後9時。まさか明日の午前 9時(明日のセッション開始)までは眠り続けんやろ、と思い、目覚ましをかけずに寝る。
今回の線虫集会は名古屋であるわけで、朝っぱらから N.N.嬢とともに新幹線に乗り込み、書くのが面倒くさいので、ここらへんで名古屋に着いたことにする。会場は音に聞こえる名古屋大は豊田講堂だ。でけえ。この講堂だけでうちの学部の敷地を完全に上回っているな。ここで 3日間にわたり線虫の饗宴が繰り広げられるわけだ。と書くと、とんでもなく嫌な夏休みのスタートのようだ。
さて、俺は学会とか、それに類するものに参加するのは今回が初めてなのだが、思っていたより堅苦しいものでもないというのが最初の印象だ。俺の発表は明日なので、とりあえず今日は、この集会がどんなものかいなと観察する。
俺はまあ線虫を始めて、ようよう 4ヶ月が経とうかという者だから、各発表のイントロダクションなんかが割と良い勉強になる。代わりに話が奥深くなると、途端についていけなくなるわけだが。
1日目のセッションで面白かったのが、N大の M先生の研究室の発表だった。なんか、発表どうしがリンクしあってて、いい塩梅ですな。
昼飯は学食。それにしても何で学食があっちやこっちにいっぱいあるのだ。大体「工学部 9号館」ってどうよ。建物ありすぎ。
本日最終のセッションでは我らがY氏とヒゲマン氏(本日のトリ)が発表。つつがなく終わる。それにしても質問は怖いですな。
終わったところでホテルに向かい、部屋に落ち着く。約 1時間後に皆で晩飯を食いに行こうということになったが、爆睡。起きたらなぜか床の上。時計を見ると 0時。携帯を見ると不在着信の嵐。ああ、昨晩徹夜だったので眠たかったのよ。みなさんゴメンナサイ。
やることもないので明日の発表の原稿をシコシコと書き始める。みんな上手だったからなあ。どうにかなる、と発表が始まるまで固く信じていたが、これではいかん。書き上げたところで、壁に向かって原稿を朗読。まあ時間もこんなもんだろ、と納得し、飯でも食うかと午前 2時。
何気なくホテルの規約を見ると門限まさしく午前 2時。やばい、このままでは飯が食えんがな! 急いでロビーに駆け下り、5分で戻ると言って、隣のコンビニで中華そばを買う。ああ、諸君、何が哀しくて名古屋くんだりまで遠征しながらコンビニ食事をほおばらねばならんのだ! 泣きながら飯を食い、ビールをあおって寝る。
久しぶりの更新。ここ 3日ほどは線虫集会や願書の用意で忙しい。