- 『だからミステリーは面白い』井沢元彦

2008/10/01/Wed.『だからミステリーは面白い』井沢元彦

タイトルに小さく「対論集」とある通り、本書は井沢をホストとしたミステリー作家との対談集である。対談相手は、

の 3人。「また三氏から『創作の秘密』を聞き出した以上、私も同様に語らねば不公平と考えたので、(略) 私の話も付け加えることにした」(「文庫版のための序」) ということで、編集部を聞き手とした井沢の談話が巻末に掲載されている。

発行が 1995年といささか古い本なので、各対談で語られている内容は今読むと微笑ましいというか香ばしいというか。

それにしても高橋克彦の話はいつ読んでも何だか訳のわからぬ面白さがある。弘田三枝子のショーのパンフレットに書いた短編小説の話は爆笑ものである。

高橋 さすがに私も書き上げた後、「危ないかな」と思ったね (笑)。いきなり第一行が「ホモじゃないので、とりあえず安堵感が私を包んだ」ときたからね。リサイタルのパンフレットでしょう。ミコちゃんの歌を聴きに来た人たちが、そういうのを読むわけですから、これはちょっとまずいかなと思いましたよ。

(「高橋克彦——井沢元彦」)

ちょっとじゃねえだろ、ちょっとじゃ。