太田光の思想がかなり左寄りであることは彼の言動を見ればすぐにわかる。結構なことではあるが、しかしその立ち位置から大日本帝国の十五年戦争を「漫才」にするのは極めて難しい。本書の切れ味は、例えば 9・11 をネタにしたときに比べ、随分と鈍い。いつもの「原論」とは違い、退屈だった。