- 『密室倶楽部』御茶漬海苔

2007/07/03/Tue.『密室倶楽部』御茶漬海苔

まったくもって恥ずかしい話であるが、本書の解説 (北川玲子) で、御茶漬海苔が男であることを初めて知った。ずっと女性だと思い込んでいたよ。

収録作は、

の 5作。

御茶漬海苔のホラーは、スプラッターでもグロテスクでもない。絵柄は無機的だ。恐怖を煽るための線の描き込みやベタの塗りつぶしは少なく、使われているトーンもほぼ 1種類のみである。効果音も描き文字ではなく写植で表現され、極めて印象深い効果を発揮する。このような固い筆致で、キャラクターの心理が淡々と、しかし執拗に追いかけられる。それが怖い。

絵そのものは怖くないが、絵の意味するところが怖いのである。オドロオドロしくない絵柄が、だからこそ際立つ。また、コマ割りや間の取り方が絶妙なのだ。

特に本書では、『桜子』が秀逸。これはスゴい。