語り口調で書かれた (口述筆記かもしれないが)、何というのだろう、人生について語った本である。
養老孟司が助手時代に大学紛争に巻き込まれたことは様々な本に書かれてあるが、本書ではその部分がかなり掘り下げられている。大学とは何か、学問とは何か。真面目だった彼は紛争が終わってからもそのことを考え続けた。このあたりのことは、私にはわかるような気もするし、わからない気もする。仮に私が大学について、学問について、著者と同じ考えに到達したとしても、もうそれ (例えば英語の論文を書かないこと) が許されないことは確実である。
時代が違う、というのは簡単だが、それでも考えるきっかけにはなる。特に何かを感じたわけではないが、大学紛争の話だけは印象に残った。