副題に「どう味わうか」とある。『赤瀬川原平の名画読本』と同じコンセプトで編まれた名画案内の日本画編。本書がきっかけとなって、後に『日本美術応援団』という面白い本もできあがるのだが、とにかくその観賞の新鮮さに目が開かれる。
日本画の先入観にはかなりのものがある。日本画は古臭い、堅苦しい、偉そうだ、とっつきにくい、といろいろだ。
私たちが日本人だからだと思う。
外人だったら日本画を見て、その様式の意外さに、きゃっ、面白い、可愛い、欲しい、といってあっさり買ったりすることもできるだろう。
(「はじめに」)
確かにそうなのだ、と再確認させられる 1冊。本書で観賞されるのは以下の 14作。